「マイナビオールスターゲーム２０２３・第２戦、全セ１－６全パ」（２０日、マツダスタジアム）

　真っ赤に染まったスタンドが、次代の球界を担う２３歳に驚いた。日本ハム・万波中正外野手（２３）が見せたフルスイングに、バウアーも思わず手をたたく。予告投球のサイ・ヤング賞右腕から、有言実行の“予告”アーチ。初出場から球宴史上初の２戦連続弾で、念願だったＭＶＰを獲得した。

　「最高ですね。マジっすか。すごい先輩方がいらして、そういう記録はうれしいです」

　球史に名を刻んだ事実に驚き、興奮冷めやらぬ表情で振り返ったのは四回だ。打ち損じのファウルフライを、捕手・大城が見失って落球。命拾いすると７球目、スライダーを左中間席に運んだ。

　１９日の第１戦では途中出場で右翼ポール直撃の本塁打。「新しい感覚があった」と史上１８人目の初打席初本塁打から、２戦連続アーチで予感を確信に変えた。この日はＭＶＰ３００万円とマイナビドリーム賞１００万円。前日は敢闘選手賞で１００万円と、２日間で５００万円の荒稼ぎ。「思った以上にデカい額がきちゃった。明日、神戸辺りで何か買えたら」と笑う。現在チームは最下位。ノリノリの主砲が浮上のカギを握る。