“プロ注目”大阪桐蔭・前田の夏始まる 12球団スカウトが熱視線送る中、2被弾も6回2失点
「高校野球大阪大会・4回戦、大阪桐蔭10-2東海大大阪仰星」(24日、南港中央野球場)
大阪大会では、大阪桐蔭が3試合連続のコールド勝ちで5回戦進出を決めた。今秋ドラフト候補の最速148キロ左腕・前田悠伍投手(3年)がこの夏初登板、初先発。今春のセンバツ準決勝以来となる公式戦のマウンドを一目見ようと12球団のスカウトが集結する中、2本塁打を浴びながらも、6回2失点と試合をつくった。また、岩手大会では花巻東、神奈川大会では慶応、横浜と注目校が決勝に駒を進めた。
エースが満を持してこの夏、初のマウンドへ上がった。「やっぱり試合で投げるのは楽しいですし、いい緊張感を持ってマウンドに上がれた」。久しぶりの公式戦の登板に前田は充実感を漂わせた。
初回は三者凡退と順調な滑り出し。しかし、二回に直球を左翼席へ運ばれ、先制を許すと、六回にも直球を捉えられ、2本目の本塁打を献上した。「甘い球が行って打たれてしまった。自分の力不足だと思う」。この日は6回4安打2失点、4奪三振で降板した。
公式戦では1年秋以来の1試合2被弾となった前田。それでも落ち込むそぶりはなかった。「練習のブルペンでも状態は上がってきてますし、まだまだ上げていけます。プラス思考です」と笑顔。初戦から決勝まで、12日間で7試合を戦う過密日程の中、エースの復調が待たれる。
この日は12球団のスカウトが集結。最速は広島のスピードガンで146キロを計測した。広島・鞘師スカウトは「投球にセンスがある。うちで言うと左のマエケン」と大リーグで活躍する右腕を引き合いにして絶賛。オリックスの谷口スカウトは「宮城みたいになるかも」とWBC戦士の姿を重ねた。
各地で強豪校が姿を消す波乱の夏。「夏は何が起こるか分からない。悔いのない球というか、一球一球、魂込めて投げ込んでいけたら」と前田。頼もしいエースが大阪の番狂わせは許さない。
◆前田悠伍(まえだ・ゆうご)2005年8月4日生まれ、17歳。滋賀県長浜市出身。180センチ、78キロ。左投げ左打ち、投手。小学2年から高月野球スポーツ少年団で野球を始め、6年時にはオリックスジュニアに選出。高月中時代は湖北ボーイズでプレー。1年時にはカル・リプケン12歳以下世界少年野球日本代表で世界一を経験。最速148キロ。