「中日ドラゴンズ１－２横浜ＤｅＮＡベイスターズ」（２７日、バンテリンドーム）

　感謝を伝えるのに言葉は必要なかった。大きなヤマ場を仲間とともに耐えたＤｅＮＡのトレバー・バウアー投手が、牧と抱き合う。「点が入らなかったことに気付くのに時間がかかって、自分でもビックリした」。みんなで防いだピンチ。全員でつかんだ７勝目だった。

　大きな正念場となった。１点リードの六回。先頭の細川に対しては三塁への内野安打と失策が重なり、無死二塁のピンチを背負った。さらに大島のバントも内野安打にされる不運も続き、一、三塁と傷口は広がった。それでもビシエドを三振に斬って取り、高橋周を迎えた場面だった。

　打球は二塁へ。マウンド上のバウアーも「間違いなく点が入る。併殺打を取るには打球が弱すぎる」と腹をくくった。それでも二塁・牧が好判断。一走・大島にタッチしてから一塁ベースを踏み、一人で併殺打を完成。無失点にしのいだ。

　ヒーローインタビューでは、仲間への思いが真っ先に言葉になった。強い意志と勝利への執念を見せた７回１失点。結束力を生んだ１勝は、首位追撃の力になる。