“新体制”日大三V 小倉前監督やりました 26年間“二人三脚”三木新監督号泣
「高校野球西東京大会・決勝、日大三3-1日大鶴ケ丘」(29日、神宮球場)
自分が涙を流すなど、想像もしていなかった。2年連続19度目の夏切符を手にし、眼前に広がる歓喜の輪。日大三を率いる三木有造監督(49)の胸中は喜びより、安どが勝った。だが、一呼吸終えたベンチ裏。涙する小倉前監督を見て、驚くほどに涙腺は決壊した。「苦しかった…」。声を震わせながら2人で抱き合った。
「小倉監督が泣いてるのを見たら、もらい泣きしちゃって。1回しか見たことない。鬼の目にも涙ですね。監督だったらなんて言うかって、ずっと考えながらやってきたので」
甲子園に行くぞ-細かいことは伝えず、思い切って選手を送り出した。二回、6番・針金侑良外野手(3年)のソロで先制すると、同点の七回に1死二塁から、1番・古賀也真人内野手(3年)の中前適時打で勝ち越しに成功。八回にも7番・大賀一徹捕手(3年)の適時打で、効果的にリードを広げた。
小倉前監督が今年3月末に定年で退任。三木新監督は小倉氏が監督に就任した97年から26年間、二人三脚で「三高野球」を作り上げてきた。「監督が築き上げてきたチームは、間違ってなかったと証明できました」。ただ、夢にはまだ続きがある。まずは4強入りした18年以来の夏1勝。「子供達が思う存分、楽しんでくれたらいいです」。“小倉野球”の強さを聖地にも刻む。