オリックス・茶野 自身初のサヨナラ打 4連勝で2位ロッテと5差も指揮官に慢心なし「厳しい戦いに」
「オリックス・バファローズ3-2東北楽天ゴールデンイーグルス」(2日、京セラドーム大阪)
白球が遊撃手の頭を越えた瞬間、割れんばかりの歓声が起こる。ヒーローのオリックス・茶野篤政外野手(23)は控えめに拳を握り、グッと両手を掲げた。プロ初のサヨナラ打。「とりあえず打ててよかった。それだけです」。かわいらしく宗の胸に飛びつき、祝福のウオーターシャワーを浴びた。
同点の九回。2死から先輩たちが満塁の好機をつくってくれた。「ずっと真っすぐを狙ってるので」。1ストライクから150キロ直球をガツン。2軍で取り組んだ直球への対応を見せつけ、7月26日に再昇格後の初安打が最高の結果となり、中嶋監督と抱き合った。
打席の前には楽天ナインがマウンドへ集まり、時間ができた。登場曲、斉藤和義の「攻めていこーぜ!」がたっぷり流れる。大好きなのはサビの「攻めていこーぜ! 守りはゴメンだ」の歌詞。失敗を恐れずに、泥くさく食らいついていくという自分のプレースタイルにマッチした。この日の一打は、サビのフレーズを見事に体現。四球でも勝てる中、初球から迷いなく振り抜いていった。
チームは今季6度目のサヨナラ勝ちで4連勝。貯金も最多更新の20とした。2位・ロッテとは5ゲーム差と独走の雰囲気も漂うが、中嶋監督は「厳しい戦いになると思う」と一切の慢心はない。日替わりヒーローの出現がチームを加速させる。