夏の甲子園 際立った慶応のショート・八木の状況判断 森林監督「ウチが守備の時に目標にしていることの一つ」

 ベスト8進出を決め歓喜の慶応ナイン(撮影・山口登)
 7回、広陵・只石が同点となる遊ゴロを放つ
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 「全国高校野球選手権・3回戦、慶応6-3広陵」(16日、甲子園球場)

 慶応の遊撃手・八木の好判断が延長タイブレークでの勝利へ導いた-。そう言っても過言ではない鮮やかな状況判断だった。

 1点リードの七回1死二、三塁の場面だ。広陵・只石が放った打球は前進守備のショート・八木の前へ転がった。捕った瞬間、ホームは間違いなくクロスプレーになるタイミングだった。投げるか、それともあきらめて一塁か。その二択かと思われた瞬間、八木は三塁へ送球した。

 三塁走者に合わせてスタートを切っていた二塁走者を二、三塁間に挟んだ。1点を捨て、ランダウンプレーの末に、二塁走者をタッチアウトにした。打者走者は一塁に釘付けとなり、勝ち越しのランナーを得点圏から消した。

 もしバックホームしてセーフになれば同点でなおも1死一、三塁が濃厚。一塁でアウトにしても2死三塁とバッテリーミスすら許されない状況になる。“次の1点”をやらないという意思を感じさせたさりげないファインプレー。森林監督はこう明かす。

 「ウチが守備の時に目標にしていることの一つなので。ビッグイニングを作られると試合はかなり苦しくなるので。1点ずつ取られて同点まで行きましたけど、同点にされることは想定していたので。予定通りだなと思いながら終盤に臨みました」

 初戦から八木の冷静で堅実なプレーは際立っていた。ハンドリングのうまさ、肩の強さだけでなく、チームの方針を体現する守備の司令塔と言える。八回は無死一塁から強烈なバントシフトを敷いて簡単に犠打を許さず、二ゴロ併殺打でピンチの芽をつぶした。広陵が延長タイブレークでミスから失点したように、守備の差がハイレベルなゲームの勝敗を分けた形だ。

 準々決勝は沖縄尚学と対戦する。「またいい投手と対戦できるので、まず1点、そして次の1点という形でコツコツやりたいなと思っています」と森林監督は冷静に次戦を見据えた。

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