花巻東・佐々木麟太郎 待望聖地弾の予感 木製バットでロングティー→飛び過ぎで“禁止令”
第105回全国高校野球選手権大会は19日、甲子園球場で準々決勝4試合が行われる。休養日の18日は各チームが割り当て練習で調整した。注目の一戦は東北の強豪対決。花巻東(岩手)の高校通算140発スラッガー・佐々木麟太郎内野手(3年)はロングティーなどでバットを振り込み「全力で戦う」と闘志を高ぶらせた。
兵庫県内のグラウンドで調整した花巻東の佐々木麟は「少し腰の張りが出た」と、トレーナーとマンツーマンでストレッチなどを行い、体の状態を確認した。
打撃の状態は悪くないようだ。木製バットで打ったロングティーでは高さ10メートルを越える防球ネットを軽々と超え、佐々木麟のみ“禁止令”が出るなど抜群の飛距離を見せた。その後の打撃練習では他選手よりも緩い球で調整。力感のないスイングで木製バットから快音を響かせ、48スイングで3本の柵越えを披露した。
練習後の取材では「自分のバランスを整える」と何度も口にし、調整の意図を明かした。ここまでの3試合で12打数6安打、2打点。3番打者としての役割は果たしているが、長打はまだ出ていない。仙台育英との準々決勝については「東北勢と甲子園で戦えることは誇りに思う。岩手として、花巻東としてのプライドを持って全力で戦いたい」と意気込んだ。
チームは約2時間半、ノックや打撃練習など汗を流した。大会連覇を狙う仙台育英は質量ともに豊富な投手陣が強み。夏は10年ぶり3度目の4強入りに向け、佐々木洋監督(48)は「攻撃というより、なんとか守って失点を抑えていくことしか勝機はない」と接戦に持ち込むことを狙っている。