仙台育英・須江監督 麟太郎HR覚悟で勝ちにいく 「ソロなら1点。それより打線がつながるのが怖い」
第105回全国高校野球選手権大会は19日、甲子園球場で準々決勝4試合が行われる。休養日の18日は各チームが割り当て練習で調整した。注目の一戦は東北の強豪対決。史上7校目となる夏の甲子園連覇に挑む仙台育英(宮城)は勝利のカギとして花巻東(岩手)の高校通算140発スラッガー・佐々木麟太郎内野手(3年)の前に走者を出さないことを確認した。
東北勢同士の準々決勝に向け、仙台育英ナインは高ぶる気持ちを抑え、冷静に相手を分析した。相手は超高校級の強打者、佐々木麟を擁する花巻東。須江航監督(40)は「警戒する打者は1人じゃない。本塁打も打たれるだろうが、佐々木君の前の選手に打たれないこと」とポイントを挙げた。
今大会12打数6安打2打点の佐々木麟はまだ甲子園で本塁打を放っておらず、チームバッティングを意識する様子も見られた。しかし須江監督は「内角には強くコンタクトしてくる。要所でかなり強く振ってくる」と長打は想定内。「ソロ本塁打なら1点。それより打線がつながるのが怖い」と話した。
尾形樹人捕手(3年)も「佐々木君には本塁打を打たれてもいい。その前の打者を出さないこと。自滅のパターンにならないように、自分たちの領域に持ち込めば」と、被弾を予想した上で最少失点に食い止める考えを明かした。公式戦では21年の秋季東北大会準々決勝で対戦し2-8で敗れた相手。互いによく知る東北対決だ。須江監督は「花巻東の良さは相手が嫌がる細かい野球をするところ」と挙げ、この日は次の塁を狙ってくる相手の走塁対策も行った。
大会史上初めて東北勢3校が進んだ準々決勝。「仙台育英でも優勝できるならうちもできるという意識が芽生えたのでは。こうなればいいなと思っていたことが実現した」。連覇まであと3試合。「先を見ない。明日が決勝戦だと思って」と一戦必勝で立ち向かう。