ソフトバンク・石川 3カ月ぶり勝利がプロ野球史上88人目ノーノー 「忘れられない瞬間」
「福岡ソフトバンクホークス8-0西武ライオンズ」(18日、ペイペイドーム)
九回2死、最後の打者、中村を一ゴロに仕留めると、マウンドのソフトバンク・石川柊太投手(31)が満面の笑みをはじけさせた。西武打線を相手にノーヒットノーランを達成。127球を投げ抜き、今季初、プロ野球史上88人目(通算99度目)の快挙を成し遂げた。
「忘れられない瞬間。すべての人に感謝」。石川は快挙達成の瞬間を振り返った。偉業まであと3アウトとなった九回、球場は異様な雰囲気に包まれた。1球ごとに球場はざわついたが、冷静さは失わない。先頭の蛭間を空振り三振に切ると、続く平沼への死球にも動じず、西川も空振り三振。最後は中村を外角カットボールで打ち取った。
力強い直球と武器のパワーカーブ、カットボールを左右高低にちりばめ、西武打線を手玉に取った。5月19日・西武戦以来、約3カ月ぶりの4勝目。昨季までエースだった千賀がチームを離れ、投手陣の柱の1人として期待されながら、ここまで不本意な登板が続いていた。「(甲斐)拓也が引っ張ってくれた。四球があるのでまだまだ」。正捕手に感謝しつつ、投球への反省も忘れなかった。
藤本監督も「まさか無安打無得点試合をするとは思っていなかった。素晴らしい投球だった。緩急をうまく使っていた」とたたえた。2019年に同じ育成出身の千賀が打ち立てた記録に肩を並べた。育成出では2人目の快挙をかみしめつつ「この結果をばねにして、もっと上に行きたい」と石川。偉業を弾みにさらなる高みを目指していく。
◆石川 柊太(いしかわ・しゅうた)1991年12月27日生まれ、31歳。東京都出身。185センチ、90キロ。右投げ右打ち。投手。総合工科から創価大を経て13年度育成ドラフト1位でソフトバンク入団。16年7月に支配下登録。17年4月4日・楽天戦(Koboパーク宮城)で初登板(中継ぎ)。20年に最多勝と最高勝率の2冠。