慶応103年ぶり4強進出 六回「代打・清原」コールに大歓声→空気一変で一挙6得点の逆転星

 6回、代打で投ゴロに倒れた清原(撮影・開出牧)
 沖縄尚学に勝利し、駆け出す慶応ナイン(撮影・北村雅宏)
2枚

 「全国高校野球選手権・準々決勝、慶応7-2沖縄尚学」(19日、甲子園球場)

 準々決勝4試合が行われ、4強が出そろった。慶応は103年ぶりに準決勝へ進出。西武、巨人などで活躍した清原和博氏(56)の次男・勝児内野手(2年)は代打で出場。登場しただけで球場の雰囲気を一気に変え、凡退しながら逆転への流れを呼び込んだ。準決勝は仙台育英と神村学園、慶応と土浦日大が対戦する。

 スタンドを見渡せば、最強の仲間がついている。大応援団の声援を背に、慶応が103年ぶりの4強入り。試合終了の合図とともに、清原は笑顔でベンチを飛び出した。

 「すごい歓声をいただいて、感謝の気持ちと、力がみなぎってくる。1打席でも多く立って歓声をいただけるように頑張りたい」

 背番号15が、聖地の空気を変えた。五回まで沖縄尚学・東恩納に3安打7奪三振に抑え込まれ、2点ビハインドで迎えた六回。先頭の9番への代打で「清原」のアナウンスが流れると、大きなどよめきに包まれた。フルカウントまで粘った末に投ゴロに倒れたが、球場全体が慶応ムードとなった。

 続く1番・丸田湊斗外野手(3年)が「彼が出たら毎回球場が彼のものになるのでこっちのものだと思った」と一塁線を破る二塁打。後続も続いて打者一巡の猛攻を見せ、一挙6得点で逆転した。なおも好機は続き、2死二塁で清原がこの回2度目の打席へ。三ゴロに倒れたが、三塁アルプスからは大歓声が飛んだ。

 森林貴彦監督(50)も「代打・清原でグワッとなる感じはもう前回も経験したので、それは期待した。彼の期待感とか、空気を変える役割はあると思う。今回は、彼は結果は出なかったけど、それが六回の反撃にはつながった」と納得の表情。清原の存在が、勝利の女神を振り向かせた。

 歴史ある学校で、卒業生の団結力も強固。この日もチームが持っていた3100枚のアルプス席券は完売し、オリジナルの応援歌に乗せて大声援が送られた。清原も「他の高校にはない応援なので誇りも持っているし、すごい応援があるので、心強い。それがあるからしっかりプレーできる」と力にする。目標の「慶応日本一」まであと2勝。スタンドと一体となって戦い抜く。

 ◆1920年の慶応 兵庫県の鳴尾球場で開催された第6回全国中等学校優勝野球大会に、東京代表の慶応普通部として出場。大会は15校が出場し、慶応普通部は初戦の準々決勝で長岡中(現・長岡)に4-2で勝利。準決勝・松山商戦は同点の延長十六回サヨナラ勝ちし、優勝した1916年大会以来の決勝進出を果たした。しかし、決勝は関西学院中(現・関西学院)に0-17で大敗。4安打しか放てず、13失策で2度目の優勝を逃した。

関連ニュース

編集者のオススメ記事

野球最新ニュース

もっとみる

    スコア速報

    主要ニュース

    ランキング(野球)

    話題の写真ランキング

    写真

    デイリーおすすめアイテム

    リアルタイムランキング

    注目トピックス