清原和博氏 愛息・勝児に「立派に育ってくれた」「どこかで線を引いて次の目標に」慶応の優勝には「野球観が変わる」とも
「全国高校野球選手権・決勝、慶応8-2仙台育英」(23日、甲子園球場)
西武、巨人、オリックスで活躍した清原和博氏が、バックネット裏で愛息・勝児内野手が所属する慶応の優勝を見届けた。閉会式後、大会本部を通じて「私の息子であり注目され、試合に出なくても取材を毎回受けるなど苦しさもあったと思います。しかし、きちんと対応して立派に育ってくれたと思います。褒めてあげたいです」とコメントした。
九回先頭で打席に立つとスタンドからは大歓声がわき起こった。清原氏は祈るように息子の姿を見つめ、四球を選んで出塁し、ベンチに戻る際には大きな拍手が降り注いだ。ファンの注目も高い中、懸命にプレーし、また裏方の仕事も必死にこなした勝児。その姿を全試合、甲子園のバックネット裏から目に焼き付けた。
「勝児は優勝の喜びも、またスタメンで出られなかった悔しさもあるでしょう。まだ野球人生は終わってないし、しばらく、ゆっくりと高校生らしい生活を送った後、どこかで線を引いて次の目標に向かってほしい」と語った清原氏。ゲームセット直後は双眼鏡を使って選手たちの様子を見つめ、閉会式での姿も目に焼き付けた。
試合は慶応が8-2で連覇を狙った仙台育英を撃破。「力としては仙台育英が上ではないかと分析していたのですが、初回から慶応の応援団がものすごくさすがの仙台育英も押され気味でした」と評した。さらに「仙台育英には守るべきモノがあり、慶応は青コーナー、チャレンジャーとして精神的には優位だったのかもしれません」と分析する。
長髪、エンジョイベースボールなど、清原氏がPL学園で夏の頂点にたった時とは時代も高校野球への意識も変わった。「長髪、自由なエンジョイ野球の優勝で、僕自身にとっても野球観が変わる思いがしました」と語った清原氏。昭和と令和で親子Vを達成し、幕を閉じた夏の甲子園。慶応の戦いぶりは高校野球界、そしてプロ野球で一時代を築いてきた稀代のスラッガーにとっても大きな意味を持つ大会になったようだ。