慶応・清原勝児 号泣Vに「苦しいこともたくさんあって全て解放された」父・和博氏には「日本一になれたと報告したい」
「全国高校野球選手権・決勝、慶応8-2仙台育英」(23日、甲子園球場)
清原和博氏を父に持つ慶応・勝児内野手は試合後、ベンチで溢れる涙を止められなかった。「優勝が父へ最大の恩返し」と言い続けてきた中、107年ぶり2度目となる頂点に。また親子で夏の甲子園Vという偉業を達成し「全員に感謝したい」と語った。
この日も聖地は大歓声に包まれた。6点リードの九回に代打で登場すると、地鳴りのような歓声がスタンドを包み、グラウンドに降り注いだ。「本当にすごい歓声をいただいて、本当に自分は幸せ者なんだなというふうに感じて、本当に感謝しかないです」。初球から積極果敢にスイングしていき、最後はしっかりとボールを見極めての四球。代走が送られてベンチへ戻る際には、大きな拍手がわき起こった。
試合後はベンチで人目をはばからず号泣。森林監督のインタビュー中には両手で目をおおった。「本当に全員の力で勝てた試合なので、メンバーだけでなくて、応援してくれた選手だったり、慶応に関係してくれているみんなの力が合わさってこの優勝があったと思う」と語り、慶大野球部に所属する兄・正吾の誕生日だったことも明かした。
「今日、自分の兄が誕生日で、兄に最高のプレゼントを贈れたなと思います。もう今日の朝に伝えて、最高のプレゼントを渡せるように頑張るといって、優勝できたので、自分的には最高のプレゼントを贈れたなと思います」とはにかんだ勝児。「立派に育ってくれた。褒めてあげたい」と試合後にコメントした父・和博氏については「日本一になれたということを素直に報告したいです」と声を弾ませた。
宿舎を出発する前には父から「頑張って来いという一言をいただきました」という。清原氏の息子ということで大きな注目を集めた。「高校3年間、苦しいこともたくさんあって、それが全て解放されたというか、そういう気持ちが強かったです」と率直な心境も吐露。ただそれを乗り越えたことで夏の甲子園制覇という勲章を手にし、「本当に慶応日本一という目標を掲げてきて、それを全員で達成できたのがとてもうれしいです」と感慨に浸った。
「しっかり初球から振れたというのが、一番成長できたかなと思うので、しっかりとこの経験を生かして頑張りたい」と語った勝児。次なる目標に向けては「まだ、本当に慶応日本一だけを見ていたので、まだ全く決めてないので、これが終わって、しっかり休んで、また新たなスタートを切りたいなと思います」と次なるステージを見据えた。