オリックス投手陣は近年で12球団最高レベル 野田浩司氏「暑い夏場でさらに加速している」
「オリックス・バファローズ4-3千葉ロッテマリーンズ」(25日、京セラドーム大阪)
オリックスが逃げ切って2位ロッテとのゲーム差を「9・5」に広げた。劣勢の展開を中盤の粘りと自慢の投手リレーで逆転勝ち。デイリースポーツウェブ評論家の野田浩司氏はオリックスの投手陣について、「近年では12球団で最高ではないか」と語った。
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山崎福が5回、3失点でマウンドを下りたので、しばらく続いていた1失点以下の試合は「7」でストップしたが、六回以降は無失点。このあたりがオリックスの強みと言えるでしょうね。
これでロッテとのゲーム差は9・5。この試合が始まるまでは直接対決が残り10試合あったので、はっきりしたことまでは言えなかったけど、ロッテサイドからすると、初戦を落としたのは現実を考えると相当厳しい。
しかもオリックスの投手陣がこの暑い夏場にもかかわらず、もの凄い安定感を見せつけていますからね。先発投手が失点したのも久しぶり。シーズンの前半こそリリーフ陣に不安定なところも見られたが、それも姿を消してきている。ここまでくると最終盤での失速は考えにくい。
質が高く量も豊富なオリックス投手陣は、この3年間で一番強力だと思いますよ。というより近年では、12球団で最高レベルにあるのではないか。それぐらい凄い。
すでに12勝を挙げている山本を、それぞれ9勝の宮城、山崎福、山下の3人が追走している状態。先発投手の2ケタ勝利カルテットが誕生するのは間違いないでしょう。田嶋も近く先発してくるはず。東も内容のいい投球を続けている。
山岡がリリーフに回っているぐらいだからね。とにかく人材が豊富ですよ。そして数がいるから負担が特定の投手に偏らない。そういう起用が若い選手の経験値を上げて、チーム力も上げている。
本来ならヘバってくるこの夏に、投手部門の成績が加速しているのだから信じられないですよ。
巨人や阪急、黄金時代と呼ばれた西武も凄い投手がたくさんいて強かったけど、単純比較はしにくいかな。短い登板間隔で先発完投を目指していた時代と完全分業制の現代野球では、投手陣の作り方そのものが違うでしょうからね。
またセーブ記録を作るほどの強力な抑えやセットアッパーで“勝利の方程式”を確立していたチームとも少し違う。繰り返しになるが、質だけでなく量も豊富だから疲労を取り除きながら起用することができている。
そういう意味で“今世紀最強”という言い方はできると思う。先発投手の枚数とリリーフ投手の頭数。特に中継ぎの“強さ”には目を見張るものがある。
この試合がその典型例で、六回以降を小木田-山岡-山崎颯-平野佳で無失点リレー。スタッフにはほかに宇田川や阿部、山田らも控えている。
そうやって“最少失点”でつないでいる間に打線が粘り強く食い下がってひっくり返す。自慢の投手力がこういうしつこい野球を可能にしている。これがオリックスというチームの強さですね。