江川卓氏「監督、コーチもきつい」1回10失点の中日・近藤に起きたであろう“現象”を解説 バウアーの言葉にも共感
巨人OBの野球評論家・江川卓氏が28日、自身のYouTubeチャンネル「江川卓のたかされ」を更新。
25日のDeNA戦で1イニング10失点を喫した中日・近藤について言及した。
近藤は2-8の九回からマウンドへ。1イニングで8安打10失点、5四死球を与えて62球も投じた。中日ベンチは勝ちパターンの投手を温存したい思惑があり、近藤に1イニングを全うさせた。
“昭和の怪物”江川氏は投手目線で、この状況を解説。「昔、ジャイアンツでもありましたよ。負けているゲームで、どうしても勝ちゲームの投手は明日に取っておきたいということで。使ってるほうは、その時は何か打たれている中でも見い出してくれと思って使うんだと思うんです」とした。
一方で投手経験者の視点から近藤に起きていたであろう現象や、心理状態も推測。「頭が真っ白になるって言うじゃないですか。歌を歌ってて、つい歌詞を忘れてしまう。前に出て喋ったら原稿を忘れてしまうとか。それと同じ事がマウンドで起こって。バッターがいてキャッチャーがいてアンパイアがいて、普通の状態ならハッキリ見えるんですが、頭が真っ白の状態で投げているとぼやけて見えるんです。そうするとカーンと打たれて、あー、ってなってギリギリ突こうと思うと全然ボールになって、ランナーたまっちゃってとなる。近藤さんもそういう状況が起こって、自分でもどうしようもなくなっちゃったんでしょうね」と語った。
低迷する中日のチーム状態にも触れ、「チームとしてもこれだけの負けがあり、勝ちゲームは取りたいというのがある。コーチとしては使えない。お互いのマイナスの部分が当たってしまったゲーム。どっちが悪いとかはない。何点なら代わればいいのか、難しいじゃないですか。それは両者きついでしょうね、投げてる方も、監督、コーチもきつかったでしょうね」と心情を思いやった。
試合後、この日先発したDeNA・バウアーが「どんないい投手でもこういう日がある、前を向いて頑張ってほしい」と近藤にエールを送ったことを聞くと、「バウアーさんと同じ事思いますよ。バウアーさんでもそういう経験あるのかもしれない、若い時に」と共感。2軍降格となった近藤には、「もう一回、はっきり映像が見えるようにどうしたらなるか。近藤さんは見えるように、研究したらいいと思います」とうなずいた。