阪神も注目の大商大・上田がノーノー 九回1死まで完全 視察6球団に猛アピール
「関西六大学野球、大商大13-0大院大」(16日、わかさスタジアム京都)
1回戦3試合が行われ、今秋ドラフト上位候補の大商大・上田大河投手(4年・大商大高)がリーグ史上12人目のノーヒットノーランを達成。九回1死まで完全試合を続け、視察した6球団スカウトに猛アピールした。大経大は神院大に8-0、京産大は5-3で龍谷大に先勝した。
最後の打者を併殺打に打ち取ると、グラブを軽くたたいた。今秋ドラフト上位候補の右腕が快挙を達成。「常に走者を出さないピッチングを目指していた。達成できて良かった」と安堵(あんど)の表情を浮かべた。
最速154キロを誇るが、この日は最速149キロと球速は抑えめ。それでも変化球を丁寧に投げ分け、アウトを積み重ねていった。1人の走者も出さずに迎えた七回。右手中指の皮がめくれるアクシデントに襲われる。「めちゃくちゃ痛かったです」と言うも痛み止めを服用し、マウンドに上がり続けた。
九回1死から四球を与えて完全試合は逃すも、最後は1死一、三塁で「狙い通りです」とフォークで二ゴロ併殺打に。人生初のノーヒットノーランにも「完全試合したかったです」と悔しさをにじませる一面も見せた。
この日は阪神を含む6球団のスカウト陣が視察に訪れた。オリックス・谷口スカウトは自球団の強力投手陣を引き合いにし「そこに食い込む力はある」と高い評価を口にした。
ドラフトへ向け、最高のアピールとなったが、まずは目の前の試合に全力を注ぐ。「自分の仕事をやるだけです」。主将とエースを兼任する上田がチームのために腕を振る。
◆上田 大河(うえだ・たいが)2001年11月15日生まれ、21歳。三重県尾鷲市出身。182センチ、86キロ。右投げ右打ち、投手。尾鷲野球少年団で野球を始め、東生野中時代には硬式のナガセボーイズに所属。大商大高では甲子園出場なし。大商大では4年春にベストナイン獲得。3、4年で大学日本代表に選出。最速154キロ。