花巻東・佐々木麟太郎 米大学留学へ ドラ1候補プロ志望届出さず OB大谷&雄星の助言受け決断
「鹿児島国体・高校野球・1回戦、履正社9-1花巻東」(10日、平和リース球場)
ドラ1候補のスラッガーが異例の決断を下した。高校野球硬式の1回戦2試合が行われ、花巻東(岩手)は履正社(大阪)に七回コールド負け。3打数無安打で高校でのラストゲームを終えた佐々木麟太郎内野手(3年)は、米国の大学へ進学する考えを明かした。来年9月に入学予定の進学先などを含めすべて未定となっているが、将来的にはそのままメジャーを目指す可能性も十分だ。
18歳の怪物スラッガーが選んだ道は米国の大学進学だった。プロ志望届の提出期限も迫り、進路が注目される中、佐々木麟は大きく息を吸い、自身の選択について話し始めた。
「最後の最後まで決断するのはすごく悩んだ。迷ったが現段階ではプロ志望届は出さずにアメリカの大学に行くことで考えている」。決意を込めた表情が決断の大きさを物語っていた。
今夏の甲子園敗退後には進路について「全く考えていないので、岩手に帰ってからゆっくり決めたい」と話すにとどめていた。その後、9月中旬には米国に渡り大学施設を見学。「すごく刺激になりましたし、見たことない世界だったので勉強になった」と選択肢を広げ、熟考を重ねた。
海の向こうで活躍する先輩からもアドバイスを得た。父でもある佐々木洋監督(48)は「向こう(米国)の話もいろいろ聞きましたし、判断材料として卒業生から話を聞いたのは確かです」と決断に至る過程で同校OBであるエンゼルス・大谷やブルージェイズ・菊池からも助言を得たことを明かした。
米国を選んだ理由は野球での成長だけを望んでのものではない。「野球だけということで考えたのではなく、人生というところであらゆる可能性を学びながら広げていく」と佐々木監督。佐々木麟自身も「まだ人間としても未熟だと思っている。野球選手だけじゃなくて人間としてもいろんなところで広い世界で学んでいきたいと思う。トータルで人生を考えて決断した」とたくさんの経験を積み、人としても成長していく考えだ。
米国の球団からドラフトで指名される権利を得るのは大学3年生の6月以降。将来的な到達地については「次のステップに進まないと考えられないです」と話すにとどめた超高校級スラッガー。無限の可能性を秘めた「日本の宝」が海を渡る。
◆佐々木麟太郎(ささき・りんたろう)2005年4月18日生まれ、18歳。岩手県北上市出身。184センチ、113キロ。右投げ左打ち、内野手。幼少期から野球を始め、江釣子小1年から江釣子ジュニアスポーツ少年団に所属。江釣子中時代は金ケ崎リトルシニアでプレーした。花巻東では1年春からベンチ入り。甲子園には2年春と3年夏に出場。高校通算140本塁打。