花巻東 佐々木麟太郎 MLBドラフト指名対象になるのは最短で26年夏か 現行規定から見るプロへの道
「鹿児島国体・高校野球・1回戦、履正社9-1花巻東」(10日、平和リース球場)
高校通算140本塁打を放ち、今秋ドラフト1位候補として注目されていた花巻東の佐々木麟太郎内野手(3年)が、米国の大学に進学する考えを表明した。日本プロ野球(NPB)から高い評価を得ている高校生がプロ入りせず、大学や社会人に進むことなく、米国の大学進学を選択するのは異例。米国の大学を経て、メジャーリーグ(MLB)やNPBでのプレーを希望する場合、どんな道があるのか。現行の規定を整理してみたい。
◆MLBのドラフト指名対象になるのは最短で2026年夏か
米国の4年制大学に進み、「3年以上在学した選手、あるいは2年以上在学した21歳以上の選手」は国籍を問わず、例年7月に行われるMLBドラフト会議の指名対象になる。
佐々木麟が来夏に米国の4年制大学に進んだ場合、指名対象となるのは最短で、21歳で迎える2026年7月のドラフト会議。また、2年制大学のコミュニティーカレッジに進学し、メジャー入りを目指す方法もある。
◆NPBのドラフト指名はいつから可能か
米国の大学に進学した選手がNPB入りを希望した場合、例年10月に行われるドラフト会議で指名を受ける必要がある。
米国の4年制大学の4年次の指名であれば問題はない。ただ、4年制大学に1、2年在学した後にNPB入りを希望した場合、話は少し複雑になる。
NCAA(全米大学体育協会)は4年制大学で在学2年以下、21歳未満の選手はMLBドラフトの指名対象外と定めている。そのため実際にNPBドラフトで指名された場合、「NCAAの規定との兼ね合いで議論になる可能性はある」(球界関係者)という。
佐々木麟は米国の大学に進学した後の将来像について、「次のステップに進まないと考えられないです」と語るにとどめた。これから切り拓いていく道がどんなものになるのか。高校生有望選手にとって今後、日本のプロ野球、大学、社会人ではなく、米留学という「第4の選択肢」が定着する可能性も十分にある。
◇米国へ進学して米球団からドラフト指名を受けた日本人選手◇ 2002年のMLBドラフトでは坂本充外野手がアリゾナウエスタン短期大編入後にロッキーズから指名を受けた。駒大苫小牧卒業後にデザート短大へ進んだ鷲谷修也外野手は08、09年の2年連続でナショナルズから指名。東北高を経てオレゴン大へ進んだ西田陸浮内野手は今夏のMLBドラフト会議でホワイトソックスから11巡目で指名されている。