高木豊氏「決断が鈍かったと言わざるを得ない」DeNA・三浦采配3つの疑問点に言及 カープ新井監督は「迷いがなかった」
元DeNAで球界の御意見番・高木豊氏が15日、自身のYoutubeチャンネルを更新。同日に行われた広島-DeNAのCSファーストS第2戦を振り返った。
高木氏は広島・新井監督とDeNA・三浦監督の采配を中心に解説。三浦監督の采配で疑問に感じたポイントを3つ挙げた。
一つ目は1点を追う六回、無死二塁。楠本は初球ストライクにバントの構えをせず見逃し、2球目に送りバントを決めた。結果的には成功したが、高木氏は「自由に打たすのか、進塁打なのか、バントなのか。3つ選択肢があったと思うけど、バントを選んだ。じゃあなぜ、一球目に見逃したんだろう。打つ構えでね。ここらへんが、どうした?(サインを)変えたのかっていうのがあった」と首をひねった。
二つ目は2点を追う七回。1点を返し、なお1死一、三塁。三浦監督は代打にソトを送ったが、2球を投じた後、三走・大和に代走・知野を送った。結果的に浅い中犠飛で生還できたものの、高木氏は「さっきの楠本の初球もそうだし、知野も。ちょっとずつ采配が遅れるんだよね」と、ふに落ちない様子をみせた。
三つ目は八回、無死一塁で打席の大田にバントを指示した場面。高木氏は「シーズン中、やったことない。クライマックスでできる?やらないといけないんだけど。準備していかないといけないが、大田にとっては一番苦手なサイン。それなら柴田、藤田も残っている。2ストライクまでバントにいくけど、1点勝負。どれだけ大事なランナーだったか。ピンチバンターでもいいと思うんだよね」と振り返った。
結果的に大田は三振で送れず。このイニングは無得点に終わり、高木氏は「柴田とか藤田とか、当てるのうまいし、エンドランとかね、仮にバントを失敗しても、ということを考えたら(大田に)代打で良かったかな。島内が投げているから簡単ではないんだけど、手を打っても俺はいいと思うんだよね」とした。
DeNAのOBとして悔しさもにじませた高木氏だったが、「この2連戦を見て、新井監督のけれん味のない采配、交代劇、勝負手を打っていく、迷いがなかった」と称賛。続けて、「逆にいえば、DeNAは最後まで迷いがあったのかな。短期決戦は迷っている時間がない。新井監督は用意周到にやってきた。DeNAはしてたんだろうけど、決断が鈍かったと言わざるを得ない」と、采配の差に焦点を当てた。
DeNAにとって、リーグ制覇、日本一の夢はまたお預けに。高木氏は「広島は総体的に見て柔軟性がすごかった。柔軟性があるチームはいろんな形を持っている。水が流れるような、どんな形でも進んで行ける。DeNAはその柔軟性に欠ける。それが差に出てた」と、チームの課題も口にしていた。