日本S関西ダービー【徹底比較・先発編】“超格差対決”年俸差約87倍 阪神上回るQS率 防御率は互角も
59年ぶりの関西対決となった日本シリーズが28日に開幕する。決戦まであと5日。勝つのは38年ぶり日本一を狙う岡田阪神か、2年連続シリーズ制覇をもくろむ中嶋オリックスか-。猛虎VS猛牛を徹底比較する企画がスタート。初回は両軍が誇る5人の先発陣を対比した。
【超格差対決】第1戦の先発が予想されるオリックス・山本と阪神・村上は“超格差”対決となる。ともに1998年生まれの25歳だが、その年俸は山本の6億5000万円に対して、村上は750万円。今や日本のエースとなった前者に対して、後者は昨年まで1軍未勝利。仕方がないとはいえ、年俸は約87倍だ。
なお先発陣5人の年俸総額は山本の存在が大きく、5億円弱の開きが。“億プレーヤー”は、オリックスが山本の他に田嶋、阪神には西勇がいる。
【防御率など】日本シリーズでの先発が予想される5人を含め、阪神の先発陣防御率が2・79、オリックスが2・61。ともに両リーグで唯一となる2点台を誇っていることからも、両軍がしっかり守り勝ってきたことが分かる。
四死球率(9イニングで与える数)では、阪神の10勝トリオがいずれも1台と秀逸。対左右打者の被打率では阪神の大竹が左打者に・286、西勇が右打者に・313、オリックスの東が左打者に・276と数字が悪い。
【注目イニング】まずは第1戦初回に注目が集まる。阪神・村上は今季21度の先発で初回は全て無失点。一方で6敗のうち3敗が2回に失点してのものだった。一方のオリックス・山本も23度の先発で初回2失点だが、ロッテとのCSファイナルS初戦で3失点を喫した。シリーズの流れを大きく左右する初戦の一、二回は要注目。
先発5人で見ると、阪神の才木は三回が5・00、オリックス・宮城の二回が4・57と悪い。また阪神・西勇は七回が6・75と極端に悪く、どこまで引っ張るかがポイントになりそうだ。
【対戦成績】オリックス・山本は2度の先発で昨季が8回2失点(自責1)、今季が8回無失点。一方、阪神の村上も山本と投げ合った今季交流戦で、8回2失点(自責1)と好投。ただし、先発したオールスターでは得意なはずの初回に、いきなり4連打を浴びるなど4失点。パの打者に弱い可能性も!?
他の投手ではオリックス・宮城が2戦2敗、防御率4・91と結果を出せていない。また大竹は、ソフトバンク在籍時に7度対戦(すべて先発)。最後の対戦(21年3月)は、3回7失点で降板しているのは気がかりだ。
【QS率】クオリティースタート(先発6回以上、3自責点以下)の達成率は阪神先発陣5人が72・7%で、オリックスの同65・2%を上回る。オリックスは山本の91・3%を含んでの数字だけに、その開きは大きい。
オリックスは山崎福が11勝を挙げながらもQS率39・1%。序盤の失点が目立ち、特に四回は計10失点を喫している。