ソフトバンク・小久保新監督 常勝軍団復活へ“王イズム”継承「美しさ欠けている。いかに美しくあるか」
ソフトバンクの小久保裕紀新監督(52)が23日、福岡市内で就任会見に臨んだ。3年契約で、背番号は今季まで務めた2軍監督時代と同じ「90」。3年連続で逃したリーグ優勝と日本一への意気込みを語り、現役時代から薫陶を受けた王貞治球団会長(83)の「王イズム」の継承と「美しい」チームづくりを誓った。会見後はペイペイドームで始まった秋季練習の円陣で選手に訓示した。
グレーの球団スーツに身を包み、背筋を伸ばした。2年間務めた2軍監督から昇格しての大役。王球団会長、後藤社長に挟まれ、小久保新監督が言葉に思いを込めた。
「求められるのは勝つこと。3年間優勝を逃している現実に向き合い、パ・リーグ優勝と日本一を目指して戦う」
現役時代、当時監督だった王会長の下で常勝軍団の礎を築いた。「弱いダイエー時代から強くなってきた歩みは貴重な経験として生きている。王監督時代に築かれた『イズム』を継承し、もう一度チームに浸透させられるように努める」と語気を強めた。
「美しい」集団も目指す。「(2軍監督時代に)1軍の戦いを時間が許す限り見た中で、一つ違和感を感じていた。美しさ、美意識が一番欠けているんじゃないか。首脳陣、選手たちといかに美しくあるかを共通認識として持ち、チームをつくっていく」と語った。
会見後、秋季練習の円陣で「勝利の神様は細部に宿る。普段の振る舞い、言葉遣いが勝ちにつながる」と訓示。来季は主将を置かない方針も説明した。
24日から再びフェニックス・リーグの指揮を執り、26日にはドラフト会議にも出席する予定。「王イズム」を継承する小久保監督の下で、新生ホークスは強く、美しく、生まれ変わる。
◆小久保 裕紀(こくぼ・ひろき)1971年10月8日生まれ、52歳。和歌山県出身。現役時代は右投げ右打ちの内野手。星林、青学大を経て93年度ドラフト2位でダイエー(現ソフトバンク)に入団。本塁打王1回(95年)、打点王1回(97年)。04年から巨人でプレーし07年にソフトバンク復帰。12年限りで現役引退。13年から17年まで日本代表監督。21年にソフトバンクのヘッドコーチ、22年に2軍監督。