明大で明暗 3人指名で歓声も合宿所は一転沈黙 蒔田稔投手が無念の指名漏れ「実力不足と受け止めたい」と言葉絞り出す
「プロ野球ドラフト会議」(26日、都内ホテル)
ロッテ1位の上田希由翔内野手(22)ら3人が指名された明大で明暗が分かれた。石原勇輝投手(22)がヤクルト3位、村田賢一投手(22)がソフトバンク4位で指名されたが、最後まで蒔田稔投手(22)の名前が呼ばれることはなかった。
12球団のラストで上田がロッテから1位指名され、2010年に阪神5位の荒木郁也内野手から途切れることなく続くドラフト指名が大学の最長記録をさらに更新する14年連続に。東京都府中市の野球部合宿所食堂で一緒にテレビ中継を見守った同級生らから歓声が上がった。
その後、ヤクルトの3位で石原が指名され、同じ食堂内で記者会見中に村田がソフトバンクから4位指名。「よかった。よかった」と声がかかる中、表情が次第に硬くなったのは蒔田だった。最後に楽天が選択を終了すると、食堂内は沈黙に包まれた。蒔田は「下位指名なら呼ばれるかなと少しは思ったが。実力不足と受け止めたい」と言葉を絞り出した。
3投手の中でリーグでの通算勝ち星では3勝と最も少ない石原が最初に指名され、次に指名されたのが最多15勝の村田。蒔田は今秋の3勝を含む11勝を挙げている。石原は「蒔田や村田より早く名前を呼ばれるとは思っていなかったので驚いた」と話した。
同期で4人ものドラフト候補がそろうだけでもすごいこと。主将を務めた上田は「4年間一緒にやってきた同期なので、一緒にプロに行きたい気持ちがあった。自分が選ばれたときも、ほかの3人もいたので素直には喜べずに、みんな行ってほしい気持ちでいた」と複雑な胸中を明かした。指名漏れの蒔田には「運もあるし、巡り合わせもある。残念だが、ここで野球人生が終わるわけじゃない。またどこかで対戦したいし、同じチームでも戦いたい」とエールを送った。
蒔田は「直後でモチベーションはまだちょっと難しいが、野球は社会人で継続していこうと思う。やる限りはプロを目指すと思う」と話した。指名された3人を「一緒にやってきた仲間なので、プロの舞台で活躍してもらいたい」と激励すると同時に「自分はステージは違うが頑張っていこうと思う」と決意した。