巨人 戦力外の鍬原 ドラ1入団も激動の6年間 評論家「大学時代は1位で不思議でない球だった」育成と支配下往復、サイド転向も
巨人は28日、鍬原拓也投手に来季の契約を結ばないことを通達したと発表した。
鍬原は中大を経て、2017年ドラフト1位で入団。だが、右肘痛でキャンプはいきなり3軍スタート。その後、プロ初勝利を飾ったが、1年目は6試合の登板に終わった。
19年も成績が安定せず、秋にはサイドスローにも転向。だが、故障が多く、右肘骨折の手術を経て20年オフには育成選手として契約した。試行錯誤を繰り返し、21年は支配下に復帰するもオフにはすぐに育成へ逆戻り。22年に支配下復帰を果たすと、中継ぎとして49試合に登板した。ようやく芽が出始めたかと思われたが、今季は5試合の登板に終わった。
中大時代から150キロ超の豪速球を投げ、清宮、村上の外れの外れ1位だったが、期待は大きかった。巨人OBで、デイリースポーツ評論家の関本四十四氏は「大学時代も見たことがあるが、1位で不思議ではない球を投げていた」と、振り返った。
今季は主にファームで調整し、通算5勝止まり。ドラフトの支配下で3投手を獲得したことで、通達を受けた。関本氏は「入団から6年なら結論を出されて仕方がない。22年はドラ1にふさわしいスピードボールが戻って来たと思ったけどな。先をいこうともがくと、ストレスがかかって故障が出る。この先どうなるか分からないが、巨人では典型的な、けがに泣いた選手だった」と語った。