オリックス・山本 3年連続の沢村賞 文句なし投手4冠! 56~58年金田以来2人目の栄誉

 プロ野球創設期の名投手、沢村栄治を記念した「沢村賞」の選考委員会(堀内恒夫委員長)が30日、都内のホテルで開かれ、オリックスの山本由伸投手(25)が3年連続で選出された。3年連続での受賞は1956年~58年の金田正一(国鉄)以来、史上2人目。89年にパ・リーグにも選考対象が拡大されてからは初めて。3度目の受賞は金田、村山実(阪神)、斎藤雅樹(巨人)と並び最多タイとなった。

 また一つ、大きな勲章を手にした。山本の3年連続受賞に文句もなければ、驚きもない。今季もそれだけ圧倒的な数字を残した。「誰かに認められるというのはすごくうれしいです。一番価値のある賞なんじゃないかな」。喜びをグッとかみしめた。

 今季も球界のトップに君臨した。23試合に先発し、16勝6敗で防御率1・21。勝率・727で169奪三振と3年連続で投手4冠。沢村賞の選考基準となる7項目のうち、4項目をクリアした。

 特に防御率は歴代受賞者の中でも2番目に低い数字。「ここまでの7年間の中で一番いい数字になった。そこはすごく良かったかなと思います」。自身でも重要視する項目だけに、胸を張った。

 今季からの新フォームの理想像は沢村栄治でもある。そして、この賞は堀内氏など、かつての名投手によって選考される。「賞の中でも唯一、今まで活躍してこられた大先輩の方に選んでいただける賞なので」。数々のタイトルや称号を手にしてきたが、沢村賞には強い思いがあった。

 今オフにもポスティングシステムを利用しての米大リーグ挑戦が有力。「全部突き詰めていきたいです。もっともっと極めていけたら」。一切の慢心はない。そして、日本で最後となるかもしれない大仕事が残っている。

 日本シリーズの第1戦では猛虎打線につかまり、6回途中7失点。次回は第6戦での先発が濃厚だ。「とにかくチーム一丸となって日本一を目指している。その一人として、全力でやっていきたい」。山本由伸の集大成を見せつける。

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