追い込まれたオリックスの「勝負師」中嶋監督はどんな手を打ってくるのか「まだシリーズの行方は分からない」評論家の視点

8回、山崎颯の降板を告げる中嶋監督(撮影・中田匡峻)
阪神に逆転負けを喫し、ベンチでガックリする中嶋監督(右から3人目)=撮影・北村雅宏
8回、山崎颯の交代を告げた中嶋監督(右)=撮影・中田匡峻
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 「SMBC日本シリーズ2023、阪神タイガース6-2オリックス・バファローズ」(2日、甲子園球場)

 オリックスは痛恨の逆転負けを喫し、2勝3敗と後がなくなった。巨人、オリックスで活躍し、シーズン最多二塁打のNPB記録を持つ谷佳知氏がデイリースポーツの解説を務め、「勝負どころを知っている中嶋監督が追い込まれてどんな手を打ってくるか。シリーズの行方はまだ分からない」と、第6戦以降にオリックスが巻き返す可能性に言及した。

  ◇  ◇

 中嶋監督はこの一戦をどうしても取りたかったのだと思う。

 第1戦に先発して打ち込まれ、第6戦の先発が有力視されていた山本をベンチ入りさせ、ケガ明けの杉本も初めてスタメンで起用した。八回のピンチで3連投の宇田川を起用したのも、絶対にこの試合を取る、という強い意志の表れだ。ここが大きなヤマだと見て、勝負を懸けていた。

 第4戦の九回に連続敬遠で満塁策を取るなど、中嶋監督は勝負どころで思い切った手を打ってくる。そうした積極采配でリーグ3連覇を果たしたし、選手も戦略、戦術の意図をよく理解してプレーしている。打線の状態がいまひとつなのは間違いないが、この第5戦まで指揮官の采配に迷いは感じられないし、この試合も打つ手は打って負けた、という感覚ではないか。

 もう後がなくなり、連勝する以外に道がなくなったのは動かしようがない事実だが、まだオリックスには山本、宮城という二枚看板が残っている。シリーズの行方はまだ分からない。「勝負師」である中嶋監督が追い込まれてどんな手を打ってくるのか、注目したい。

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