野球日本代表・侍ジャパンが６日、「カーネクスト　アジアプロ野球チャンピオンシップ」（１６日開幕、東京ドーム）に向け、宮崎市内でキャンプを開始した。初陣に挑む井端弘和新監督（４８）は４日に、巨人の長嶋茂雄終身名誉監督（８７）から電話で激励されたことを告白。「自分の色を出せ」というミスターの言葉を胸に、まずは大会連覇に全力を注ぐ決意を語った。

　選手に対する期待、今後に向けた抱負を語った後、井端監督が自ら口を開いた。「実は…連絡をいただいて」と明かした相手は、巨人の長嶋終身名誉監督。ミスターの金言に気を引き締めた一方で、先輩監督の言葉に「気持ちがすごく楽になった」と感謝した。

　「栗山監督は世界一になったけど、ＷＢＣはまた別物だ。自分の色を出して、新しいジャパンを築いてくれ」

　世界中に感動を呼んだＷＢＣの世界一奪還。名将と称賛された指揮官の後任に、重圧がないと言えばうそになる。受話器越しに聞いた長嶋氏の言葉を「すごく元気な声でした」と表現。「新たに作れと言っていただいた」と、進むべき道を再確認できた。言葉通りに初日から精力的に動いた。

　アップ中から一人一人の選手と積極的に対話。野球観や希望のポジション、打順などを聞いて回った。捕手以外のバント練習は短く「必要な時はあるけど、極力は打っていけるなら打っていく」と、選手にも宿舎でのミーティングで確認。国際大会での安打は自信になると、成長につなげる攻撃を重視する。

　日本シリーズ７試合を戦った阪神、オリックスの５選手は、１０日の第２クールから合流予定。佐藤輝、森下らに「代表でも十分に力を発揮してくれたらね。引っ張ってもらいたい」と期待を寄せる。約１週間の短期合宿。井端色を前面に新生ジャパンを作り上げる。