「侍ジャパン強化合宿」（１１日、宮崎）

　野球日本代表「侍ジャパン」の一員として宮崎県での強化合宿に参加している阪神・佐藤輝明内野手（２４）が１１日、合流後初めて屋外でのフリー打撃を行った。２９スイング中、６本の柵越えを記録。そのパワーで井端弘和監督（４８）を驚かせた。１２日に行われる広島との練習試合（宮崎市清武）に先発出場する予定で、実戦での快音にも期待がかかる。

　衝撃音とともに白球が放たれる。合流後初めて参加したフリー打撃での２６スイング目。佐藤輝が振り抜いた打球は、打撃ケージ上部に突き出したネットをかすめた。だが、打球速度が緩まってもなお高々と舞い上がり、そのまま右翼ポール際の芝生席へ着弾。打席後方で見守っていた井端監督は、驚きと笑みが入り交じった表情で打球方向を指さした。

　「すごいですよね。あんなの初めて見ましたよ。浜風をものともせずじゃないですか」と指揮官。森下とともに「徐々に良くなってると思います。飛距離的にもさすが」と評価し、「実戦でどれだけ機能するか見てみたい」と期待を寄せた。

　打順などは未定だが、１２日に行われる広島との練習試合に先発出場させる見込み。佐藤輝も、井端ジャパンにおける“デビュー戦”に向けて気合十分だ。

　「しっかりバットを振っていって、良いバッティングができれば。長打は自分の持ち味でもあるんで、どんどん出していければ」

　刺激になる存在もある。「レベルの高い選手が集まってる」という中、注目する選手には「マンチュー（万波の愛称）じゃないですか？良いパワーしてます」と２学年下の同僚を指名。「結果を残すしかない」と負けじとアピールを誓った。

　坂倉、牧とともに野手最年長。日本一の看板も背負うだけに、国際舞台でも存在感を示したいところだ。「自分はしゃべってどうというタイプではないので、プレーで見せられたら」。指揮官も驚嘆したパワーで、フレッシュな侍打線をけん引する。