侍・小園 大会2冠で連覇に導く 〝師匠〟龍馬が輝いた「首位打者とベストナイン」狙い
「侍ジャパン強化合宿」(13日、宮崎)
野球日本代表・侍ジャパンが13日、宮崎県内での強化合宿を打ち上げた。広島の小園海斗内野手(23)は攻守で存在感を示し、「カーネクスト アジアプロ野球チャンピオンシップ」(16~19日、東京ドーム)での首位打者とベストナイン受賞で、チームを大会2連覇に導くと誓った。
フリー打撃で鋭い打球を放ち、ノックや走塁練習では軽快に動いた。強化合宿最終日も小園はグラウンドで元気ハツラツだ。「やっぱいいっすね」。日本代表のユニホームに袖を通すのは高校3年以来。その重みも感じながら最後の練習を終えた。
大会2連覇を目指す負けられない戦い。背番号51は二遊間を任され、攻撃では上位打線を担う見込みだ。「どこでも大丈夫」と打順にこだわりはなく、任された場所でチームをけん引する決意。その上で個人的な目標に「首位打者とベストナイン」を掲げた。
「前の大会で龍馬さん(西川)が取っているんです」
初代アジア王者に輝いた17年大会で、西川が打率・636を残し、首位打者とベストナインの2冠に輝いた。小園は21年オフに高い打撃技術を学ぶため、初めて西川に弟子入りし、その後も助言を求めてきた。尊敬する先輩が残した成績。目標となるだけに、燃えないはずがない。
国際大会にはめっぽう強い。17年の「WBSC U18野球W杯」では打率・378。翌18年の「第12回 BFA U18アジア選手権」では驚異の打率・524をたたき出した。
実戦から遠ざかっていたため、合宿中はできる限り投球を手元まで引きつけるなど、工夫を凝らしながら調整してきた。12日のカープとの練習試合で3安打するなど、練習試合は2試合連続安打と状態は上向き。「気合を入れて頑張ります」。準備は整った。
守備でも存在感を示す構え。合宿2日目には井端新監督から直接、守備の極意を伝授された。「難なくワンバウンドをさばけるようになった」。足の運び方やグラブの位置など細部にわたり、意識を高めてノックを受けてきた。安定した守備が勝利に直結するだけに、短期間での成長は頼もしい限りだ。
「やっぱり勝ちたい。しっかり結果を残せるように頑張ってきます」。井端新監督の初陣でもある今大会。一翼を担い、日本の力を示して頂点まで駆け上がる。