お菓子工場からトライアウトへ 最多勝右腕の元西武・多和田が激白「プロ野球選手として恥ずかしい」参加したきっかけとは?

 力投する多和田(撮影・佐藤厚)
 トライアウトのマウンドに立つ多和田(撮影・開出牧)
 力投する多和田(撮影・佐藤厚)
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 「12球団合同トライアウト」(15日、鎌ケ谷スタジアム)

 15年度ドラフト1位で、21年オフに戦力外通告を受けた元西武・多和田が2年ぶりにトライアウトに参加。ここ2シーズンは北海道の軟式チーム「六花亭」で現役を続けていた。

 プロのユニホームの中に見慣れないグレーのユニホームを身にまとった選手がいた。「どちらでもよかったんですけど、僕は六花亭で行きますと。このユニホームで成長したので、このユニホームで出るのが普通の考え。」と明かした多和田。シート打撃では重心の低い独特のフォームで、先頭の佐藤優を伸びのある143キロ直球で中飛。2人目、居谷はスライダー2球でストライク、ファウルを打たせた後に外角直球で再びファウル。最後は141キロ直球で見逃し三振を奪った。

 3人目はロッテ・福田と対戦。143キロ直球などでファウルを打たせたが、粘られた末に最後はフルカウントから四球となった。

 それでも「元気に投げる姿を見せることができて良かった」と語った右腕。18年に16勝を挙げて最多勝に輝いたが、19年以降は自律神経失調症に苦しみ、結果を残せず。育成契約を経て、21年オフに退団した。

 その後、六花亭に入社し、所長と恩師とある約束があったという。「まず(NPBに)戻ることを第一に考えてやっていこう。まず体を元気にしてやっていこう。去年か今年でやるということで、時間はかかりましたけど。元気になりました」。8時間の勤務を経て空いた時間に練習。硬式球を握るケースも少なく、満足できる調整ではなかったかもしれない。だが2年間の社会人経験で得られたものは多くあったという。

 「会社でお菓子作りだったり自然に対して自然の仕事をする。いろんなことを学ばせて貰ってる。今から工場入ることもあるので」と明かした多和田。「考えさせられましたね。2年前の自分だったらプロ野球選手として恥ずかしい。自分自身の自覚がたりない。やっと社会人のしっかりした人となれたかなと思います。上司の人からすごく怒られることもありましたし。社会人としてなってないところもありますし。それで心が良くなってきたのもあるので」と人間的に成長できたことを明かす。

 2年間の思い出を問われ「六花亭の会社に入らせて貰ったこと。この年になって勉強は恥ずかしいけど」と語った右腕。「子供も大きくなってきたので、頑張ってる姿を見せたいという思いで。NPBは球速が上がってきている。自分が戻ったらどうしようかと思って見たりしています」と明かし、「感謝しています」と充実の表情を浮かべていた。

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