「１２球団合同トライアウト」（１５日、鎌ケ谷スタジアム）

　生き残りをかけた舞台に、２０１５年度ドラフトで競合した２人の名前があった。阪神、ヤクルトと競合の末、金本監督が当たりくじを引いた高山俊外野手。そして中日、日本ハム、ソフトバンクが競合した高橋純平投手だ。

　ひときわ大きな歓声を受けてシート打撃の打席に立ったのは高山。右中間二塁打に右前打としっかり引っ張り込んだ打球を放ち、二盗も成功させた。終了後には「泥くさく」という言葉を連呼。「失うモノはない。全部出そうと思っていた。泥くさく、しがみつく姿とか」と明かし、「体がまだまだ動く姿を見せられたのは良かった」と語った。

　高橋は最速１４８キロをマークしたが、いきなりヒットを浴びるなど１安打、１死球、１三振。「きょうも先頭が三遊間抜けたときにああまずいって思っちゃって」と率直な心境を明かし、「真っすぐがまだまだスピード出るというところだったり、変化球の質を見せようと思ったのでそれはできたかなと思います」と明かす。

　ソフトバンク在籍時は「自分がちゃんとやっていれば、結果出していれば使ってもらえるという環境ではあったので。そこでやっぱりここ２年間、結果出せなかったので」と振り返り、「ホークスは他球団行ったら投げられるでしょうとか言う人いるんですけど、僕はどちらかと言ったらホークスで１軍で投げられない選手は他球団でも１軍で投げられないって思ってやってきたので。その気持ちは今でも変わりません」と言い切る。

　２人に共通していたのは、まだまだ現役で、ＮＰＢの舞台でプレーしたいという思い。高橋は「自分もまだまだやりたいぞというところで諦めたくない気持ちもあります」と明かし、高山は「戦力外にはなりましたけど、またね、プロ野球選手目指して頑張りたいと思います」と前を向いた。