元阪神・高山 まだやれる!トライアウトで魅せたマルチ&盗塁「しがみついてでも野球を」
「12球団合同トライアウト」(15日、鎌ケ谷スタジアム)
12球団合同トライアウトが15日、千葉県鎌ケ谷市の日本ハム鎌ケ谷球場で行われ、59人が参加した。実戦形式のシート打撃では阪神から戦力外通告を受けた高山俊外野手(30)が、5打数2安打2四球1盗塁と存在感を発揮。入場チケットが完売となった大にぎわいのスタジアムで、大声援に感謝の思いを届けた。
見せる姿勢で、高山には伝えたい思いがあった。「本当に泥くさく、しがみついてでも野球をやりたいという姿を」-。決して背伸びすることなく、これまで重ねてきた努力を体現した2安打2四球1盗塁。心地よい大歓声に、応えたかった。
「言い方が合っているかはわからないですけど、もう失うものもないので」。緊張はしない。平常心で打席に向かうと、大声援が強く背中を押した。第1打席は右中間を真っ二つに切り裂く二塁打を記録。2打席目は空振り三振に倒れるが、3打席目には内角直球をさばいて右前へ。初対戦の投手から「変化球カウントがきたら走ろう」と、積極的なプレーで二盗も決めた。
10月3日に戦力外通告を受け、阪神で過ごした8年間が終わりを告げた。それでも高山は「悔しがっていてもしょうがないし、悔しがったら変わるわけでもない。野球をやりたいという気持ちはずっとあったので」とすぐさま気持ちを切り替え、練習に向かった。
この日の守備では外野全ポジションに就き、走攻守で魅せた猛アピール。「まだまだやりたい。またプロ野球選手を目指してやりたいと思っています」。スタンドには何枚ものネームタオルが掲げられ、応援歌を懸命に歌うファンもいた。まだ、できる。高山が夢を追い、吉報を待つ。