広島から国内ＦＡ権を行使した西川龍馬外野手（２８）がオリックス入りを決断したことが２１日、分かった。１６日に初交渉を行い、出来高も含めて、最大で５年総額１５億円以上の大型契約を提示されたとみられる。オリックスから近日中に発表される。

　リーグ３連覇を果たしたオリックスに大きな戦力が加わる。西川は天才的な打撃センスを誇り、プロ８年間で通算打率・２９９。オリックスは昨オフから熱心に調査を続けており、ついに念願がかなった。

　西川はＦＡ権行使を表明した会見で「パはメジャーっぽいというかパワー野球。真っすぐでどんどん勝負してくるイメージなので、僕の野球が通用するのか興味があった」と話していた。広島への愛着から熟考していたが、１２月で２９歳。野球人生の分岐点で大きな決断を下した。

　小、中学時代は大阪市港区で過ごしており、地元球団のユニホームへ袖を通すことになる。中学時代に所属した大正リトルシニアの拠点は、京セラドーム大阪のすぐ近く。オリックスには昨季まで敦賀気比の先輩・吉田正尚も在籍し、現在も山崎颯や山田ら同校ＯＢが活躍している。縁も深く、環境の変化も問題はなさそうだ。

　オリックスは昨オフに西武から森をＦＡで獲得しており、２年連続での補強となった。外野手では杉本や中川圭ら実績組と、野口や茶野ら若手組が争う。西川の加入は大きな刺激となり、一気に層は厚くなる。

　オリックスはこの日、山本のポスティング申請を済ませたばかり。ＦＡ権を行使した山崎福も移籍の可能性がある。それでも球界屈指の巧打者の加入は、リーグ４連覇と日本一奪還へ強力な追い風となるはずだ。

　◆西川龍馬（にしかわ・りょうま）１９９４年１２月１０日生まれ、２８歳。大阪府出身。１７６センチ、８３キロ。右投げ左打ち。内野手。背番号５。今季推定年俸１億２０００万円。敦賀気比から王子を経て、２０１５年度ドラフト５位で広島入団。１６年３月２６日・ＤｅＮＡ戦（マツダ）でプロ初出場。１９年５月１日・阪神戦～６月５日・西武戦まで２７試合連続安打。