FAの山崎福也はなぜ人気なのか 巨人などセ・パ6球団の大争奪戦「他球団から見れば」評論家が解説
オリックスからFA宣言した山崎福也投手の人気が高い。巨人、ソフトバンク、ヤクルト、日本ハム、DeNAの5球団が交渉に乗り出し、オリックスに残留する可能性も残している。今季年俸は6000万円だが、複数年契約の好条件で争奪戦となっている。
阪神、オリックス、広島で指導者を歴任してきたデイリースポーツ評論家・岡義朗氏は「体が強く、着実に成長してきた選手。そこを他球団が評価していると思う。1年だけパッと活躍した選手ではないから。まだ伸びしろもある選手だと思っている。ソフトバンクや日本ハムなど、パ・リーグ他球団から見てもそういう評価をしているからこそ、獲得に動いているんじゃないか」と評する。
一方で「セ・リーグ球団からすればあの打撃というのはやはり魅力。DH制がないからこそ、セの球団はほしいんじゃないか」と分析。「五回で2、3点ビハインドとなったらベンチは代打も考えないといけないけど、山崎の打撃があればそのまま打席に送っても期待できる。そしてもう2イニングくらい消化してくれる。これはベンチにとってものすごく大きい」と語った。
投球自体も「大きく試合を壊さない投手。6回2失点、7回3失点を計算できるピッチャー。また先発左腕はどの球団を見渡しても必要だし、しっかり1年間投げてくれるという計算もできる。そういうところが人気の要因になっているのではないか」と岡氏。さらにもう一つの側面も指摘する。
「やっぱり今、オリックスの投手陣はいいでしょ。今季で言えば山本がいて、宮城がいて、若い選手もどんどん出てきている。そういう面々の中で比較されると山崎の評価というのは高くないけど、じゃあ他球団で見れば?ということになるとこれくらい評価されても良い選手」。オリックスは今季、ぶっちぎりでパ・リーグ3連覇を達成。エース山本を筆頭に宮城ら軸がしっかりしており、山下、東ら若手も伸びてきている。リーグトップの強力投手陣の中で2桁勝利を挙げた山崎福。他球団からの評価が高いのもうなずける。
「本当に若いときから比べればしっかり緩急も使えるようになったし、コントロールもばらつかない。(補償が必要ない)Cランクというのもあるけど、それだけ山崎を良いピッチャーとして他球団が評価している証なんじゃないかな」と評した岡氏。その行方に注目が集まる。