日本ハム・吉田輝星まさか 契約更改から3日後の電撃トレードに「申し訳ない」なぜ?結びつき強いオリへの移籍、球団の“親心”にじむ

 日本ハムの吉田輝星投手(22)と、オリックスの黒木優太投手(29)の交換トレードが24日、両球団から発表された。

 吉田は18年夏の甲子園で金足農を準優勝に導き、“金農旋風”の立役者となった。同年のドラフト1位で入団。昨季は主にリリーフとして自己最多の51試合に登板する飛躍の年となったが、今季は登板3試合、0勝0敗、防御率9・00にとどまった。

 今年8月31日のロッテ戦、2戦連続で失点した吉田の課題について、新庄監督は「腕が振れてないというか、変化球で腕の振りが緩むので、バッターは見やすいですよね。もう一回、鍛え直します」と2軍降格を伝えた。

 だが、見捨てた訳ではなかった。今オフはマンツーマンで投球フォームに熱視線を送り、「去年のフォームに戻したほうがいいんじゃない?」と熱心に指導。吉田も21日に契約更改し、「新庄監督を胴上げする輪の中にちゃんと活躍していられるようにしたい」と語っていた。

 飛躍が期待されていた中での電撃トレード。オリックスの福良GMは元日本ハムコーチで球団と結びつきが強く、同じく元日本ハムのオリックス・中嶋監督は吉田と同じ秋田出身。試合前練習で挨拶に出向く吉田と談笑することもあった。

 リーグ3連覇を果たし、圧倒的な投手力を誇るオリックスは速球派の育成がうまく、次世代を担う可能性のある吉田のポテンシャルは魅力。日本ハムにとって、まだ22歳のドラ1右腕を放出するのはかなりの覚悟が必要だったはずだが、強力投手陣に埋もれつつある29歳の黒木も“即戦力”として期待値の大きい存在といえる。

 今季不調に苦しんだ黒木とともに、環境を変えることで飛躍を目指して欲しいと、選手を思う“親心”がにじむトレードとなった。

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