楽天・安楽は自由契約 パワハラは「ほぼ事実」 球団側に24年シーズン再契約の意思なし

 楽天は30日、後輩選手へのハラスメント疑惑が浮上していた安楽智大投手(27)について、森井誠之球団社長(49)、球団顧問弁護士の稲垣勝之氏が楽天モバイルパークで会見を開き、30日が提出期限の「保留選手名簿」から外し、自由契約にすることを発表した。本人へのヒアリング、選手スタッフへのアンケートを照らし合わせた結果、パワハラ行為があったと認定。球団として、24年に再契約を結ぶ考えがないことも明らかとなった。

 疑惑は事実として認定された。契約更改時、複数の選手が安楽からのパワハラ被害を受けていると球団側に相談。そこから本人に対する計3度のヒアリングと、選手、コーチ、スタッフからアンケートをとり「ほぼ事実」と認定された。

 確認された行為として挙げられたのが、5項目。①体を押すなどの身体的接触②ロッカールーム内で逆立ちをさせた状態で、下半身を露出させる③食事の誘いを断った選手への執拗(しつよう)な電話④日常のミスに対する罰金という名目での金銭徴収⑤『アホ』『バカ』などの暴言だ。

 事実認定を受けて球団も決断を下した。森井社長は「本件に関して球団として、見過ごすことのできない重大な事象と捉え、保留者名簿へ記載しないという結論に至りました」と語った。

 安楽には29日に自由契約を通告。「かしこまりました」と受け入れた上で、謝罪の場を設けたい旨を球団に伝えたという。森井社長は「その場を作るためのサポートというのはわれわれもできる」と今後、謝罪会見も行う予定だとした。

 特殊なケースとなった。本来であれば、定められた期間で戦力外通告をし、自由契約となるが、事態を受けての異例のタイミングでの通知。球団としてもNPB、選手会にも報告を済ませ、安楽と双方合意の上での自由契約となった。今後はルール上、楽天を含めて全球団と契約交渉ができる。ただ、実際に獲得に動く球団があるかは分からない。

 森井社長は「現時点で、24年度というのは考えておりません」と、来季の再契約の意思がないことを説明。25年以降の契約については「ゼロという発言はできないが、契約意思ありだと思っていただきたくない」と話し「彼の将来を全て否定するものではない。われわれに所属した選手ですので、しっかり見てあげたい」と語った。

 ◆安楽 智大(あんらく ともひろ)1996年11月4日生まれ、27歳。愛媛県出身。186センチ、87キロ。右投げ左打ち。投手。済美から2014年度ドラフト1位で楽天入団。小学2年で野球を始め、済美では3年センバツで準優勝。新人だった15年10月5日・ソフトバンク戦でプロ初登板初先発初勝利。21年から3シーズン連続50試合登板。

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