8日開催の第2回現役ドラフト 第2の大竹、細川はあるのか 「新天地は選手に新たな活力を与える。首脳陣も先入観がないからチャンスがある」と評論家
プロ野球の第2回現役ドラフトが8日、非公開で開催される。初開催となった昨年はDeNAから中日に移籍した細川成也外野手が、今季自己最多の24本塁打、78打点を挙げ、ソフトバンクから阪神に移籍した大竹耕太郎投手もキャリアハイの12勝を挙げて、18年ぶりのリーグ優勝と38年ぶりの日本一奪回に貢献するなど、出場機会増を求めるプロ野球選手会の要望に応じて開催された第1回現役ドラフトは実りあるものになった。
一方、ヤクルト・成田翔投手、DeNA・笠原祥太郎投手、オリックス・渡辺大樹外野手、ソフトバンク・古川侑利投手、楽天・正随優弥外野手、日本ハム・松岡洸希投手の6選手がわずか1年で戦力外通告を受けるなど(古川と松岡は育成選手として再契約)、移籍1年目からある程度の数字を残さなければ、生き残れない立ち位置であることも示した格好だ。
阪神OBの中田良弘氏は「いい制度になったと思うよ。細川が前にいたDeNAや、大竹が前にいたソフトバンクが今年の成績を恨めしく思ってるのかどうかは知らないけど、やっぱり新天地っていうのは選手に新たな活力を与えるし、首脳陣も先入観を持たずに真新しい目で自分を見てくれるから、チャンスは増える。いくら前の球団では埋もれていた存在でも。だから前所属球団には『なんであんなに活躍するのを見極められなかったんだ』とマイナスに受け取るのではなく、現役ドラフトのリストに挙げた時点で『ウチでは活躍する場がなかったんだ』と割り切って考えてもらいたいね」と解説した。
また今後の現役ドラフトについても「昔は首脳陣の好き嫌いで選手を飼い殺しにすることがあったけど、今はそういう話は聞かなくなってきた。特に内野や外野で絶対的な選手がいるチームでは、出場機会を与えてやれない選手もいるはず。そういった選手に関しては、将来を考えて現役ドラフトで他球団で活躍するチャンスを与えてあげてもらいたいね」と指摘した。
細川、大竹以外でも、オコエ、戸根らが新天地でチャンスを与えられ、一定の結果を残して契約延長を勝ち取った。現役ドラフト選手としてリストアップされるということは、決して戦力外通告ではない。今年はどんな選手が新天地に求められるのだろうか。
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昨年の現役ドラフト指名選手 名前の後の()内は旧球団
オリックス 渡辺大樹外野手(ヤクルト)1試合、打率・000、0本塁打、0打点
ソフトバンク 古川侑利投手(日本ハム)9試合、0勝0敗0セーブ、防御率4・50
西武 陽川尚将内野手(阪神)9試合、打率・167、1本塁打、1打点
楽天 正随優弥外野手(広島)1試合、打率・000、0本塁打、0打点
ロッテ 大下誠一郎内野手(オリックス)23試合、打率・227、1本塁打、2打点
日本ハム 松岡洸希投手(西武)1軍登板なし
ヤクルト 成田翔投手(ロッテ)3試合、0勝0敗0セーブ、防御率5・40
DeNA 笠原祥太郎投手(中日)2試合、0勝2敗0セーブ、防御率5・40
阪神 大竹耕太郎投手(ソフトバンク)21試合、12勝2敗0セーブ、防御率2・26
巨人 オコエ瑠偉外野手(楽天)41試合、打率・235、2本塁打、6打点
広島 戸根千明投手(巨人)24試合、1勝0敗0セーブ、防御率4・64
中日 細川成也外野手(DeNA)140試合、打率・253、24本塁打、78打点