大谷を育てた花巻東・佐々木監督「指はお金になる。一塁にヘッドスライディングはするな」 『甲子園塾』で走塁について力説
日本高校野球連盟は10日、大体大浪商のグラウンドで本年度2回目の「甲子園塾」を開講。最終日となったこの日は走塁やノック指導などが約3時間行われた。
特別講師としてU18高校日本代表監督の小倉全由氏や花巻東の佐々木洋監督らが指導。若手指導者27人と大体大浪商の野球部員が参加し、汗を流した。
走塁の指導で佐々木監督は教え子である大谷翔平や菊池雄星への指導を引き合いに考え方を解説。「雄星や大谷には指はお金になるんだから一塁にヘッドスライディングはするなと言っていた」と明かし「走塁には性格やチームカラーが出る。タッチアウトは流れが変わるので注意」と話した。
小倉氏は「一塁まで全力疾走しない選手は野球をやる資格はない」と力説。走塁の手本に阪神・大山を挙げ「大山選手は手を抜かない。一塁への走塁は素晴らしい」と虎の主砲を絶賛し、選手に見習うように説いた。
また、今回で塾長を勇退する山下智茂氏は大体大浪商の部員相手に7分間ノック。追加で山下氏の名物“ケンカノック”も披露し、声を張り上げた。選手も名将の気迫に負けじと泥まみれになりながら打球に食らいついた。終了後は部員全員と笑顔で握手し「雰囲気が一気に明るくなったでしょ。この気持ちを忘れないように」と締めくくった。
閉講式で山下氏は2008年から務めた甲子園塾の塾長について「忘れることのできない時間だった」と振り返り「花よりも花を咲かせる土になってください。これからも一緒に高校野球業界を盛り上げていきましょう」と呼びかけると受講生らからは大きな拍手が送られた。