ソフトバンク 山川穂高獲得を正式発表 背番号は「25」 異例の発表即日会見へ 不祥事、「戒め」のFA宣言の末に決断 西武からの処分解除ないまま
ソフトバンクは19日、西武から国内FA権を行使した山川穂高内野手(32)を獲得したと発表した。出来高を含め、4年総額16億円(金額は推定)程度の大型契約で、背番号は「25」に決定。同日に福岡市内のペイペイドームで入団会見を行う。異例の発表即日会見となる。
山川は通算218本塁打で、パ・リーグ本塁打王を3度獲得。昨年11月、東京都港区のホテルで20代女性に性的な暴行をした疑いで5月23日に書類送検。警視庁は起訴を求める「厳重処分」ではなく、判断を検察に委ねる「相当処分」の意見を付けた。その後、東京地検は嫌疑不十分で不起訴処分としたが、事態を重く受け止めた球団は、無期限の公式試合出場停止処分を通達。17試合出場で打率2割5分4厘、5打点にとどまった。
FA権取得には残り17日の登録日数が必要だったが、「故障者特例措置」が適用され取得。11月15日にFA宣言選手として公示され、同月16日から全ての球団との交渉が可能となっていた。
11月14日に権利を行使し、「皆様に多大なる不快な気持ち、不信感を生んでしまった一連の出来事を通じて、ただ野球をするということだけではなく、関係する全てのことを、自分ひとりで考え、また、家族と考えさせて頂きました。野球から離れることだけではなく、社会から離れることまでも考えました。それでも、私の心から消えずに残り続けたことは、野球がやりたい、野球をさせて頂きたいという答えでした」などとつづり、行使の理由については「この私の意志を受け入れて頂けることがあるならば、ライオンズに居続けることが、ファンの皆様、球団の皆様に対する感謝の形、謝罪の形、誠意であるということも考えています。同時に、FA宣言が持つ、選手の権利として定められた制度という理解を超え、これまで聞くことがなかった声をお聞かせ頂くことで、自分自身を戒めることとなるのではないかとも考えました。FA宣言により西武ライオンズ以外の球団の考えを聞いた上で、残留か移籍の判断をさせて頂くことは、新たな野球人生へと歩ませて頂きたいという、私の一方的な願い、自分本位な意思のように聞こえてしまうであろうことも、重々承知しております。それでも、私が宣言させて頂くことで、何より、私自身のこれからの野球人生に対して、重い責任を持ち続けることの覚悟であることを、どうか少しでもご理解いただけたら幸いです」と綴っていた。
西武からの処分は解除されていない中での異例のFA移籍となった。
山川は13年ドラフト2位で西武に入団。10年間で通算打率・256、218本塁打、575打点を記録した。