ソフトバンク移籍の山川穂高 笑顔なき54分間の会見 厳しい質問相次ぐ「リスク背負って獲得」 球団にはファンから批判コメント続々
西武から国内FA権を行使した山川穂高内野手(32)が19日、ソフトバンクと契約合意に達し、福岡市内のペイペイドームで入団会見を行った。出来高を含め、4年総額16億円(金額は推定)程度の大型契約で、背番号は「25」に決定。スーツ姿で壇上に立つと、神妙な表情で移籍決断の経緯を語った。
会見では厳しい質問が相次いだ。スーツ姿で壇上に立った山川は、まずは深々と頭を下げて謝罪。涙ながらに「私の不祥事により、すべての関係者の方々に多大なるご迷惑をおかけしたこと重ねておわび申し上げます。本当に申し訳ありませんでした」などと語った。
その後、質疑応答に移ると、事件に対する受け止めや、獲得を進めた三笠杉彦GMに質問が集中。「球団に対しても、地元の福岡のマスコミに対しても、批判的なコメントが届いていると聞いている。受け止めは?」と問われたGMは、「球団の問い合わせの窓口にもたくさんの声が届いております」と認めた上で「しっかりと起こった事案について調査しました。経緯も確認しましたし、本人も野球にかける気持ち、今回のことを深く反省していて、マイナスからのスタートと自覚をして、ホークスで野球をして活躍したいという気持ちを確認しました」と続けた。
さらに、「一連の騒動があった上での獲得。批判の声も届いた。リスクを背負って獲得することの解釈は?」と問われ、「我々の今回の判断が、その通りではないかもしれない。それは私たちも理解をしています。ですが、それ以上に今の我々の調査を総合して、山川選手の気持ちを判断して、ホークスでプレーする場を与えて、やっていこうではないかと。球団内で、グループも含めてコンセンサスを得られたので、このような形で契約をさせてもらった」と明かした。
山川は、昨年11月、東京都港区のホテルで20代女性に性的な暴行をした疑いで5月23日に書類送検。警視庁は起訴を求める「厳重処分」ではなく、判断を検察に委ねる「相当処分」の意見を付けた。その後、東京地検は嫌疑不十分で不起訴処分としたが、事態を重く受け止めた球団は、無期限の公式試合出場停止処分を通達。10月のフェニックス・リーグで実戦復帰したが、公式試合ではない同リーグは処分対象外で、厳密には謹慎処分中の移籍となる。
移籍会見の晴れ晴れしい雰囲気はなく、黒のスーツに黒のネクタイを着用して会見。終始、笑みなく表情も硬く、異例ずくめの54分間の会見となった。