オリックスは２８日、京セラドーム大阪で仕事納めを迎え、湊通夫球団社長（６１）が取材に対応した。

　３連覇を達成したチームを「監督が珍しくシーズン前に『３連覇する』と公言されて成されたのがすごい。監督を支えたコーチの方々、具現化した選手はすごい」と振り返った。

　阪神に惜敗した日本シリーズについては「全部良い試合だった。短期決戦で結果がどうかという話だけなので」と最後まで戦った選手をたたえた。

　今オフポスティングシステムを使ってドジャースへ移籍した山本由伸投手（２５）についても言及。今朝の会見について「普段の会見に比べて緊張していたなというのが第一印象。親のような気持ちで見ていました」と振り返った。

　右腕のチームへの貢献を「最大限ですね」と改めて評価。「（チームが）上位にいることで自然とモチベーションを維持できたと思う。そういう意味では良い環境だったのかな」とエースのステップアップの要因を分析した。

　ポスティングシステムの規定により、ドジャースからオリックスに支払われる譲渡金は５０６２万５０００ドル（約７２億４０００万円）となる見通し。多額の資金の投資先については「選手育成とファン」へと明かした。

　１７年には大阪・舞洲に２軍施設を移行。その資金を「ものすごく短期的に回収が終わった」とし「選手を強化することは基本中の基本。育成において足りないものは何なのか洗い出しをして、さらにブラッシュアップして良い施設を造っていく」とした。

　育成の成功例に今季ブレークした山下舜平大投手（２１）を挙げ「どれだけ短期間で選手が戻ってこられるか。そういう選手が増えていくほど球団としては施設作って良かったなという風に思う」と語った。

　ファンへの還元も約束。「野球を見ることに対して人口を増やしていかないと収益力も落ちてくる。そういう部分にもこのお金を分散していきたい」と力を込めた。