オリックス 吉田正尚&山本由伸を送り出した球団の考え方とは?湊球団社長「サイクルとして回す方がいい」
オリックスは28日、京セラドーム大阪で仕事納めを迎え、湊通夫球団社長(61)が取材に対応した。
昨オフの吉田正尚外野手に続き、今オフは絶対的エースの山本由伸投手をメジャーへ送り出したオリックス。28日には山本がドジャースへの入団会見を行った。その様子を見た湊球団社長は「普段のうちの会見と比べて緊張していたなというのが第一印象。親のような気分で見ていました」と振り返った。
2年連続で投打の柱が抜けたチームの戦力ダウンは計り知れない。それでも湊氏含むフロントと現場の首脳陣との意見は“選手ファースト”で一致している。「監督の立場でいうと本来は(主力を)残してほしい思うんですよ。それを(監督は)前向きに捉えてそのサイクルを作るとおっしゃっている。一定のプレーで成果を上げた選手ということで言えば、そこで(メジャーに)送り出してあげることによって、オリックスという球団に来れば、育成の方針はしっかりしているし、そこで自分が育っていけばもう一つ大きなチャンスがあると。自分はそこ(日本)は出たいのに押さえつけて行きたいのになと思いながらプレーするより、快く送り出してあげて次の選手がまた意欲的にやるという環境をサイクルとして回す方がいいと(監督が)言ってくれているので経営者の私としてはすごくやりやすいです」と球団の方針を語った。
近年、海を渡り活躍する日本人選手が増える中、プロに入団する前の選手でもメジャーを志して入団してくるケースが増えている。その中で『オリックスに行って活躍すれば夢がかなう』というのは選手にとって大きなモチベーションになる。湊氏は「来たいと思う球団に来たら、やっぱり意欲が違うでしょと監督は言うんですね。それって大きな差になってくるんですよ」と球団として“夢”を抑え込まない方針がチームを強くする要因となることを語った。
吉田が抜けた今季も圧倒的な力でリーグを制し、3連覇を達成したオリックス。“黄金期”到来の裏には現場とフロントが共通認識を持ち、チームを運営する姿勢があった。