野球評論家の高木豊氏が２５日、自身のＹｏｕＴｕｂｅチャンネルを更新。ＦＡ移籍の伴う人的補償を撤廃した場合、ドラフト指名権を与える代案を示すと同時に、ドラフト制度そのものの改革の必要性も訴えた。

　プロ野球選手会がＦＡ移籍に伴う人的補償撤廃を要求している件に触れ「人的補償の目的は戦力の均等化をはかること。人的補償撤廃は賛成だけど、撤廃する代わりに何かが必要だと思う」とした。金銭補償や補強費を支払うなどの案もある中で「やっぱりドラフトが一番ふに落ちる。未知数の人間を、ドラフトの枠を与えてやるというのが一番いい」とＦＡ選手を獲得した球団が、旧所属球団にドラフト指名権を譲る案を推した。

　同時にドラフト制度にも言及。１位指名が重複した場合、交渉権を抽選する現行方式については「考え方が自然じゃない。最下位のチームは戦力が落ちてる。ドラフトも抽選でなく完全ウェーバー方式で」と下位球団から順に指名する方式を支持した。その上でＦＡ移籍に伴いドラフト指名権を譲渡すれば「例えば最下位のチームから２位のチームにＦＡで移籍したとする。（ドラフト指名の）順番が２位のチームのところに来たら、また（最下位のチームが）指名できる。それが一番自然だと思う。ＦＡの選手は確固たる実力もあって結果も出てる。そういう選手が（ＦＡで）取れてるわけだから、（チームは）ルーキーに頼らなくてもいい能力があるでしょ」とした。

　いずれにせよ「ここらへんは一回、すべて見直す時期に来ている。穴が開いたところにつぎはぎしても、また糸がほつれてきたら、そこからまた漏れる。一回、これでやると出した方がいいんじゃないか」とドラフト、ＦＡ制度などをトータルで見直すよう訴えた。