センバツ 被災地の石川県から2校が選出 選考委で異例メッセージ「希望のともしびとなるようなプレーを」

 センバツ出場が決まり、安堵する日本航空石川ナイン(撮影・出月俊成)
 センバツ出場が決まり、涙を見せる日本航空石川ナイン(撮影・出月俊成)
 明治神宮大会高校の部決勝・作新学院対星稜 明治神宮大会で優勝し、喜ぶ星稜ナイン=23年11月撮影
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 「選抜高校野球・選考委員会」(26日、大阪市内)

 出場校が発表され、北信越地区では1月1日に発生した能登半島地震で被災した石川県から星稜、日本航空石川の2校が選出された。

 星稜は昨年の北信越大会で優勝し、明治神宮大会も制した。そのため北信越地区に神宮大会枠が割り当てられ、同地区から3校が選ばれることになった。日本航空石川は北信越大会で4強だったが、石川大会などでの戦いぶりが評価された。

 現在は山梨県内に避難を余儀なくされている中、吉報が届いた形となった。また選考会場では異例のメッセージが発進され、北信越地区の選考発表を担当した辻中副委員長が「なお北信越の選考に当たった選考委員のみなさまよりメッセージがありますので、お伝えします」と明かした。

 「改めて1月1日に発生した能登半島地震でお亡くなりになられた方々に慎んでお悔やみを申し上げますとともに、被災者の皆様にお見舞い申し上げます。センバツの大会理念には野球を通じて生徒達に純心明朗な気風を吹き込むと共に、国民に希望のともしびを灯したいという願いを込めて、この大会が誕生したと明記してあります。甚大な被害をこうむった石川県輪島市に所在する日本航空石川高校をはじめ、北信越地区から選考された3校のみならず、全32校の選手たちが希望のともしびとなるようなハツラツとしたプレーを甲子園で見せてくれることを期待しております」

 選考委員会中にこうしたメッセージが読み上げられることは極めて異例だ。亀井副委員長も選考終了後に「今も避難所で苦しい生活を強いられている方がいます。被災地の中でも甚大な被害を受けた石川県から星稜高校、日本航空石川高校の両校が選出されました。なかなか元の日常に戻ることができず、思うような練習も重ねることができていない。そういった選手も少なくないと思います」と被災地の現状に配慮しつつ、「私たち主催者と致しましても、大会までできる限りのサポートをしていきたい」と語った。

 その上で「センバツ大会の歴史を振り返りましても、阪神大震災がありました1995年の大会、また東日本大震災に見舞われた2011年の大会。いずれの大会におきましても、ひたむきな一つ一つのプレーが被災地を勇気づけてくれました。今大会も憧れの舞台に集う全ての選手たちが野球ができる喜びを噛みしめるとともに、日頃から支えて下さっているご家族に感謝の気持ちを持ちながら全力のプレーを繰り広げていることを期待しております」と意義を強調。3月18日開幕へ向け「私たちも主催者としてサポート、準備、運営をして参りたいと思います」と力を込めた。

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