「国民に希望のともしびを」センバツ選考委員会で異例のメッセージ 能登半島地震受け「野球ができる喜びを噛みしめて」

 センバツ出場が決まり、あいさつの途中で涙を見せる日本航空石川・宝田一慧主将(撮影・出月俊成)
 涙を浮かべながらナインに声を掛ける中村隆監督(撮影・出月俊成)
 能登空港キャンパスに残る教員たちとは中継でつながった(撮影・出月俊成)
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 「選抜高校野球・選考委員会」(26日、大阪市内)

 選考委員会では1月1日に発生した能登半島地震を受け、異例のメッセージが読み上げられた。

 北信越地区の選考発表を担当した辻中副委員長は、説明が終了した後、「なお北信越の選考に当たった選考委員のみなさまよりメッセージがありますので、お伝えします」と明かした。

 「改めて1月1日に発生した能登半島地震でお亡くなりになられた方々に慎んでお悔やみを申し上げますとともに、被災者の皆様にお見舞い申し上げます。センバツの大会理念には野球を通じて生徒達に純心明朗な気風を吹き込むと共に、国民に希望のともしびを灯したいという願いを込めて、この大会が誕生したと明記してあります。甚大な被害をこうむった石川県輪島市に所在する日本航空石川高校をはじめ、北信越地区から選考された3校のみならず、全32校の選手たちが希望のともしびとなるようなハツラツとしたプレーを甲子園で見せてくれることを期待しております」

 選考委員会中にこうしたメッセージが読み上げられることは極めて異例。今大会が“普通の大会”ではないことを意味する形となった。過去に阪神大震災、東日本大震災が発生した中でも、大会の挙行が議論となる中、被災地の球児が明るい話題と希望の光を届けた事実が歴史に刻まれている。

 亀井副委員長も選考終了後に「今も避難所で苦しい生活を強いられている方がいます。被災地の中でも甚大な被害を受けた石川県から星稜高校、日本航空石川高校の両校が選出されました。なかなか元の日常に戻ることができず、思うような練習も重ねることができていない。そういった選手も少なくないと思います」と被災地の現状に配慮しつつ、「私たち主催者と致しましても、大会までできる限りのサポートをしていきたい」と語った。

 その上で「センバツ大会の歴史を振り返りましても、阪神大震災がありました1995年の大会、また東日本大震災に見舞われた2011年の大会。いずれの大会におきましても、ひたむきな一つ一つのプレーが被災地を勇気づけてくれました。今大会も憧れの舞台に集う全ての選手たちが野球ができる喜びを噛みしめるとともに、日頃から支えて下さっているご家族に感謝の気持ちを持ちながら全力のプレーを繰り広げていることを期待しております」と意義を強調。3月18日開幕へ向け「私たちも主催者としてサポート、準備、運営をして参りたいと思います」と力を込めた。

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