「巨人春季キャンプ」（７日、宮崎）

　巨人のドラフト５位・又木鉄平投手（２４）＝日本生命＝が初のシート打撃登板。岡本、門脇、秋広ら主力打者を完全に封じ、登板後は対戦した選手、阿部監督らが投球を絶賛した。

　実戦感覚を養う時期で投手有利とされるが、それでも打者６人を相手に無安打、４三振を奪う圧巻の内容だった。

　カウント１－１、無死二塁を想定した登板。まずは萩尾、門脇を連続三振に斬ると、続く岡本との対戦だ。直球で鋭く内を突き、外のチェンジアップで遊飛に抑えた。球速は１４０キロ中盤でも、直球で空振りを奪うシーンが多かった投球内容。

　岡本が「本当にいい球でした。フォームとのギャップがあるというか…。すごいいい投手だと思いました」と驚くと、阿部監督も「いいですね。力感無いところからね、１４４とか１４５ぐらいまで出る。直球で空振り取れるっていうのは魅力的ですね」とうなった。

　現時点で起用法は未定。それでも視察した阪神の飯田スコアラーは「まだこの時期からなんとも言えないけど、いまあの球が投げられるってことは、これからも投げられるってことだからね」と前置きし、「思っていた姿と全然違った。岩崎っぽいところがある。手元でピュッとくるから、真っすぐで空振りが取れる」と驚き、守護神の名前を出して警戒を強めた。

　登板後、マウンドを降りる「ＭＡＴＡＫＩ」の背に、スタンドから大きな拍手が送られた。名刺代わりの２２球になったが、自己評価は厳しめで「１００点中だったら半分、５０点くらい。もう少し出力が上がるのと、変化球の精度だったり、しっかりと追い求めてやっていきたい」と前を向いた。アマチュア時代は先発、リリーフ両方を経験した左腕。ドラフト６位で入団した岩崎同様、下位指名ながら掘り出し物の予感だ。