「練習試合、中日１－６ＤｅＮＡ」（１７日、Ａｇｒｅスタジアム北谷）

　投手転向３年目の飛躍を期待させる好発進だ。中日の根尾昂投手（２３）がＤｅＮＡとの練習試合（北谷）で実戦初登板。先発で３回をパーフェクトに抑えてファンの歓声を浴び「１戦目にしてはよかった。収穫もあった」と充実感を漂わせた。

　一回は７球でリズムよく滑り出す。二回先頭の井上には２ボールから立て直し、最後はフォークで空振り三振。その後も最速１４３キロを計測した直球には切れがあり、打者を詰まらせる場面が多かった。ベンチから熱い視線を送り続けた立浪監督も「非常にいいボール。どんどん自信を持ってほしい」と評価した。

　数球織り交ぜたカーブも効果的だった。二回、３月の強化試合・欧州代表戦の日本代表に選ばれた山本への初球で投じ、意表を突くようにストライクを取った。詳細は明かさないが、一度浮き上がって落ちていく軌道は魅力的。キャンプ前半に受けた大阪桐蔭の先輩でもある今中慎二臨時コーチ（５２）の指導が生きたといい「もっと試行錯誤して、精度を上げていく」と意欲的だった。

　大野、小笠原、柳、高橋宏、涌井ら好投手がそろう先発陣に割って入れるか。「いい投手はたくさんいる。絶対に負けない気持ちで投げていく」。次回の実戦ではさらに長い回を投げる予定。好結果を積み重ねて存在感を高め、今年こそプロ初勝利を挙げる。