「ヤクルト春季キャンプ」（１９日、浦添）

　ヤクルトの中村悠平捕手（３３）が１９日、打倒・阪神へ夜も動画で徹底解剖している「日課」を明かした。異例の休日返上で打撃練習を行い、強い言葉で誓うのは覇権奪還だ。「阪神を倒さないと上にはいけない。昨年の日本チャンピオンなので」。特に警戒するのは、佐藤輝の変化だった。

　約１カ月のキャンプも折り返しを過ぎ、各球団で対外試合も始まった。紅白戦も含めた、あらゆる“試合”のダイジェスト映像をＹｏｕＴｕｂｅなどで毎日チェック。宿舎時間での日課になった。全１１球団の動向に目を凝らすが、「基本的にはやっぱり阪神なんですけどね」。特別な感情で昨季の王者を見つめる。

　アピールを続ける小野寺ら具体的な名前も挙げつつ、「佐藤輝明、調子いいな」とうなずいた。実戦４試合で８打数６安打、打率・７５０と驚異的な数字を残している虎の主軸。中村は「実際、（実戦での対戦で）受けてみないとわからないところもあるんですけど」と前置きしつつ、昨季までとの違いを見た。

　「打ち方もちょっと変わっている。コンパクトになっているし、確実性も上がってきている。動画を見る感じは、すごくいい感じに振れているので。やっぱり結果も出ているのが納得できる」

　すでに始めている“ヤり返す”ための予習がある。「結果球だけですけどね」と笑うが、バックネット側からやバックスクリーン側からなど、視点を変えて各球団の打者を観察した。

　２１日に行われる楽天との練習試合で初実戦を迎える予定。「やらなくて結果が出ないよりかは、やって結果が出ない方がまだ悔いを残さない」。選択した休まない道は決意の表れでもある。昼夜問わず研究を続け、覇権奪還へ導いていく。