プロ野球選手会が異例のプライバシー尊重を求める声明発表 現状を危惧「交際相手や結婚相手などの私生活や家族に関することまでもが際限なく暴露されてしまう状況」
プロ野球選手会(会沢翼会長)は5日、「プライバシーの尊重に関するお願い」と題した声明を発表した。近年のSNSでの情報拡散の状況に懸念を示し、「選手にも尊重されるべきプライバシーが存在することについて、今一度お考えいただければ幸いです」と、呼びかけた。
声明全文は次の通り。
「近年、スポーツ選手を含む著名人について、私生活上の事柄に関する報道やSNSへの投稿が過熱しています。特にインターネットやSNSの発達により、情報拡散のスピードは速くなり、拡散の範囲は広くなっています。そして、一度情報が拡散されてしまうと半永久的に残ってしまい、検索も容易になっている点で、被害は深刻化しています。
世の中に溢れている情報の中には事実に反するものも含まれますし、尾行や盗撮といった不適切な取材方法が用いられるケース、プライバシーに関する情報の公開を巡って金銭を要求されるケースすら存在します。
もちろん、スポーツのプレーだけでなく、それ以外の部分を知っていただくことも時には必要かもしれません。しかし、私たちの仕事の中心は、あくまでプレーを楽しんでいただくことです。スポーツ選手であることを理由に、交際相手や結婚相手などの私生活や家族に関することまでもが際限なく暴露されてしまう状況では、安心して生活していくことができません。
選手と家族の平穏な生活を守るため、メディアの皆様が取材や報道を行うとき、ファンの皆様がSNSを利用するときには、選手にも尊重されるべきプライバシーが存在することについて、今一度お考えいただければ幸いです。
メディアやインターネット事業者においても、プライバシー尊重についての取り組みが始まっています。プライバシーが尊重され、誰もが安心して暮らせる新しい社会を目指し、スポーツ界としても取り組みを進めてまいります。
2024年3月5日
日本プロ野球選手会」