駒大苫小牧高野球部員の“レジ空打ち窃盗事件”は「悪質」 元刑事が指摘、OBの今後も懸念

 2004年から夏の甲子園を2連覇した駒大苫小牧高校(北海道)の野球部員らによるコンビニエンスストアでの窃盗事件を受け、元神奈川県警刑事で犯罪ジャーナリストの小川泰平氏が6日、デイリースポーツの取材に対し、「レジで空打ちした者も窃盗の共犯者。単純な万引きではなく“グル”になった悪質な手口」と指摘した。その一方、同氏は同学年の野球部OBに及ぼす影響も憂慮した。

 5日に都内で開かれた日本学生野球協会の審査室会議で「駒大苫小牧高校の3年生11人の窃盗があり、1月31日から3月1日までの対外試合禁止処分が科された」との発表があった。

 昨年12月8日に同校近隣の警察署から「3年生部員3人を捜査対象として調べている」と連絡があり、同15日から学校での聞き取りをしたところ全11人の窃盗が判明。3人のうち部員A、Bが同じコンビニでアルバイトをしており、野球部員が買い物に来た際にAとBがレジで空打ちして代金を支払わなかったという。

 小川氏は「普通の万引きは従業員やアルバイト店員の目を盗んで、リスクをおかしてやる行為だが、今回はレジ打ちする従業員も仲間で話がついているので『ノー・リスク』。万引きなら防犯カメラ等で分かるが、今回のようにレジに商品を持って行き、そのうち1点か数点は購入するが、他の商品は購入したかのように見せかけて持って帰る。そうして盗んでいるのに、防犯カメラ等では盗んだようには見えない」と手口を解説した。

 その上で、同氏は「アルバイトをしているレジ打ちの従業員も共犯であり、グルになっているわけです。それは相当悪質です」と指摘。「11人も野球部員が関与しているということは、個人でやっていたというよりも『あの店に行けばアイツがバイトでいるから、レジに持って行けば大丈夫』という話がまん延していたのではないか」と推測した。

 さらに、小川氏は「いろんな大会が終わる昨年の9月くらいからやっていたということで、野球部を抜けて気が緩んでいたこともあったのかもしれませんが、それが今年になって判明した。昨日(5日)、卒業式の後に発表したということは、学校側からしてみれば、生徒のことを思って、発表を遅らせたとも思いますが(万引きした生徒は)卒業生だからもう“うちの学校の生徒”ではないわけですが、これから大学や社会人などいろいろな道に進む卒業生の進路にも影響を与えかねない」と付け加えた。

 全国屈指の強豪校として知られた駒大苫小牧高校。夏の甲子園連覇時のエースで、後に米大リーグのヤンキースでも活躍した田中将大投手(楽天)、昨年のWBCで日本代表入りした伊藤大海投手(日本ハム)ら同校野球部OBはプロでも実力を発揮してきた。

 小川氏は「これまで駒大苫小牧の野球部出身というと一目置かれていたと思うが、今回、11人の名前は現時点で、そして今後も発表されないでしょう。起訴されるわけではないですから。そうして非公開になると、他の野球部員は大学や社会人で野球を続けたり、一般に就職するにしても、これまでなら『マーくんの後輩か』と言われていたのに、『その時の11人に入っていないよな』などと思われる可能性がある。いちいち『私はその11人に入ってませんから』と言うわけにはいかないですし、今回の件は他の同学年の野球部員OBにも相当迷惑をかけていると思います」と懸念した。

 小川氏は「万引きは窃盗罪であり、犯罪です」と強調した。

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