星稜 被災地に届ける甲子園制覇 芦硲主将が決意表明「感謝の気持ちで頑張る」

 第96回選抜高校野球大会(18日開幕・甲子園)の出場32校による「キャプテントーク」が7日、大阪市内で行われ、各校主将への事前アンケートで、昨秋明治神宮大会覇者の星稜が優勝候補筆頭に挙がった。同校は1月1日の能登半島地震で被災。主将の芦硲(あしさこ)晃太外野手(2年)は野球ができることに感謝して大舞台に臨むことを誓った。「キャプテントーク」はコロナ禍で中止になっていたが、5年ぶりに実施された。組み合わせ抽選会は8日午前9時から大阪市内で行われる。

 春の王者の大本命に星稜が選ばれた。各校主将に優勝候補を聞いた事前アンケート。春夏計9度の全国制覇を果たしている大阪桐蔭に6票差をつけ、最多の10票を集めた。マイクを持った芦硲主将は、「こうして優勝候補にたくさん挙げていただいたのはうれしいこと。春は一からチャレンジャーという気持ちで戦いたいです」と決意を新たにした。

 1、2年夏にも甲子園を経験している最速143キロのエース左腕・佐宗翼投手(2年)に、勝負強さが光る強力打線。なにより、昨秋明治神宮大会で優勝して得た、秋の王者の称号に各校は警戒心を示すしかなかった。それでも、慢心は一切ない。芦硲は「自分たちは秋日本一になりましたけど、春勝てる保証はない」と謙虚な姿勢を強調した。

 同校は1月1日に能登半島地震で被災。グラウンドにはヒビが入り、室内練習場の入り口がずれるなど、野球部の活動にも影響が及んだ。芦硲自身は大阪府の実家に帰省中だったが、避難所生活を経験した能登出身の部員もいる。日常が一瞬で消え去った。「野球ができることに感謝の気持ちを持ちながら、また野球をスタートできる。プラスに捉えたい」。キャプテントーク内で地震の話題に触れ、被災校主将の率直な心境を明かした。

 2日の対外試合解禁日から天候などの影響でまだ練習試合は行えていないが、ここまでは紅白戦で調整。「いい準備ができているんじゃないかなと思います」と手応えをにじませた。

 8日の抽選会を前に、「ワクワクな気持ちが大きいです」と胸を躍らせ、「当たり前のことが当たり前じゃなくなったことを感じさせられた。感謝の気持ちを持ちながら頑張っていきたい」と決意した芦硲。石川県勢初の甲子園制覇を成し遂げ、被災地に勇気を送る。

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