巨人・戸郷 スライダーに課題と収穫 4回途中6安打3失点も阿部監督「信頼は揺るがない」
「オープン戦、オリックス3-0巨人」(8日、京セラドーム大阪)
結果以上の「収穫」にも、巨人・戸郷翔征投手は不満を隠さなかった。四回途中、6安打3失点。押し出しを含む4四球の背景には、阿部監督からのリクエストがあった。テーマはスライダー。「課題がいっぱい出た。修正が必要」と振り返ったが、開幕に向け新スタイルを見せた。
エースは進化を狙った。初回、2死走者なしで西川との対戦。フルカウントからスライダーを選択した。外れて四球になったが、頓宮にも決め球に使用。空振り三振を奪った。全74球中、14球がスライダー。4四球と制球に苦しんだ一方、3奪三振はいずれも同球だ。
元々、直球とフォークを主体にする投手。杉内投手チーフコーチは「もう1個使える球種があれば、それが本人の為になる」とリクエストの意図を説明した。戸郷自身も「(決め球が)フォークだけで、何回も困ることがあった」とし、選択肢を増やすことで投球の幅を広げる狙いがあった。
スライダーを多投することで、体が横振りになるなど課題を見つけた。「修正が必要」と繰り返した右腕だが、阿部監督は「あれ以上悪くなることはないし、信頼は揺るがない」と背中を押す。初の大役となる開幕まで残り2試合。打倒・阪神にエースは秘策アリ-だ。